(日本学術振興会科学研究費助成事業による研究:「星野君の二塁打」の総合的研究 課題番号20K02537)
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【目次】
はしがき
I 研究組織・研究業績等
II 研究会記録
令和 3 年度研究会
令和 4 年度研究会
III 論考
〇道徳教材:ベーブ・ルースの「三るいライナー」の誕生 ——子ども向け犠牲バント物語のルーツを探る——(功刀俊雄)(リンク)
はじめに
1.「三るいライナー」における了解のうなずき: 約束破りの物語
2. 原作はうなずかない: 自分勝手の物語
3. 原作の原作における納得のうなずき: バッティング技術開眼物語
おわりに
〇学校教育における文学と人間形成 ——1950 年代後半における道徳教育論争を参照点として——(米津美香)(リンク)
はじめに
1.文学教育と道徳教育
2.「人間教育」としての文学教育――雑誌『文学教育』より
3 「文学による人間形成」の理論と実践――『文学による人間形成』(明治図書出版、1958年)より
おわりに
〇「星野君の二塁打」から日本の文化的・社会的課題へ ——読者のコメントの分析とベーブ・ルースの逸話“George Gets a Big Hit”との比較を通して——(天ケ瀬正博)(リンク)
1.ネット上の記事から得られた「星野君の二塁打」に対する一般の人々からのコメント
2.野球論における作品の検討
3.道徳論・教育論における検討
4.日本における「協調性」(「共同の精神」)概念の混乱
5.協調性と文化的自己観
6.文化を超えて:「共同の精神」と「ギセイの精神」
〇討議倫理学から見る道徳教育の展望と課題(藤井佳世)(リンク)
はじめに
1.道徳資料「星野君の二塁打」
2.討議倫理学と道徳教育
3.残された課題
おわりに
はじめに
1、この作品で野球を語るのはナンセンスである
2、作品の背景にあるもの
3、高校での試みと「指導者と選手の関係性」論議
4、作品本来の姿(吉田甲子太郎の真意は)
5、「星野君」は何時の大会を描いたものか
6、「星野君」は福嶋一雄投手か(余談として)
7、「星野君」は東京高等師範学校附属中学校若山投手か
8、R中學は芦屋中学かあるいは
9、甲子園の土と「星野君」
10、柳澤有吾の2017年の指摘
11、授業実践に向けて
12、有川による高校での実践例
13、「星野君」最新研究動向
14、余談ながら「星野君」研究と、本校野球部について
15、演劇の「星野君の二塁打の別府さんとその妻」について
はじめに
Ⅰ 指導書にみる「星野君の二塁打」
Ⅱ 教科化後の指導案にみる教材解釈と運用
Ⅲ 教科化時代の「星野君の二塁打」論
おわりに
IV 資料[web版:冊子版資料とは異なります](初出版と定本版の比較(リンク)、原作[定本版]と現行教科書のキーワード対照表(リンク)、新「星野君の二塁打」年表(リンク))
「ギセイ」と「犠牲」—ドイツにおける兵役制度をめぐる議論から考える—(栁澤有吾)(リンク)
【目次】
第1章 星野君はどんな少年だったのか 㓛刀 俊雄
1 吉田甲子太郎の少年小説集
2 銃後の「おさえつけられても、伸びあがってゆこうとする、少年」
3 罪と罰、仕掛けとしての重い罰
4 星野君の「男らしさ」と涙――コペル君との比較
コラム/戦時下の吉田甲子太郎
第2章 文学と教育があわさるとき 米津 美香
1 文学と教育があわさるとき――「星野君の二塁打」をめぐって
2 うつむいたままの星野君――道徳副読本と道徳教科書
3 国語教科書と「星野君の二塁打」
4 国語と道徳の重なりと違い
5 文学と子どもの出会い
6 これからの教育、これからの道徳教育
コラムa/道徳の教科化と道徳教科書
コラムb/「道徳の時間」はどのように始まったか
第3章 道徳の再構築に向けて 天ヶ瀬正博
1 若者は犠牲を求められる
2 「地図は現地ではない」
3 道徳論と道徳教育の混乱
4 世界大戦と全体主義による道徳論の無効化とホロコーストへの対峙
5 権威主義的パーソナリティ、集団への同調、権威への服従の危険性
6 多元的世界において、日々自ら考え確かめ、アクティブに生きること
7 社会によって強いられている苦しみ
8 犠牲のない社会は可能か
9 犠牲になること
10 根をもつということ
コラム/子どもたちの草野球と『蠅の王』
第4章 開かれた物語としての「星野君の二塁打」 栁澤 有吾
1 「星野君の二塁打」の論じられ方
2 坂上康博『にっぽん野球の系譜学』を読む
3 和田篤史「『星野君の二塁打』の道徳教材としての価値を再検討する」を読む
4 吉田における民主主義の射程
5 その先へ
コラム/もうひとつの「星野君の二塁打」
資料「星野君の二塁打」(初出版)全文
あとがき
㓛刀俊雄 「 小学校体育科における『 知識』領域の指導――教材『星野君の二塁打』の検討 (一) ――」『教育システム研究』第 3号 (2007年 4月 )、 18-26頁。
㓛刀俊雄 「太平洋戦争下の飛田穂洲――“野球弾圧時代”のペンによる抵抗――」『現代スポーツ研究』第8号(2007年5月)、15-29頁。
㓛刀俊雄 「小学校体育科における『知識』領域の指導――教材『星野君の二塁打』の検討(二)――」『教育システム研究』第4号(2008年4月)、54-61頁。
㓛刀俊雄 「飛田穂洲『花散り夢空し』の問題提起――抵抗の論理としての『野球道』、その初出はいつか――」『現代スポーツ研究』第9号(2008年9月)、59-72頁。
㓛刀俊雄 「「星野君の二塁打」のスポーツマンシップ――「武士道」から「民主主義」への衣替え――」『運動文化研究』第26号(2009年7月)、68-75頁。
㓛刀俊雄 「正岡子規「山吹の一枝」戦後発見説の来歴」『現代スポーツ研究』第12号(2011年12月)、79-87頁。
㓛刀俊雄 「最初期の少年野球小説に見る「男らしさ」(中間報告)――「運動の精神」と「野球美談」――」『差異と交感の人間学(奈良女子大学大学院人間文化研究科社会生活環境学専攻人間行動科学講座研究プロジェクト報告書)』2012年3月、4-16頁。
㓛刀俊雄 「小学生を主人公にした大正期の少年野球小説――「子どもらしさ」とその行方――」『奈良女子大学文学部研究教育年報』第11号(2015年3月)、75-82頁。
栁澤有吾 「子どもの社会化と主体形成の両義性―教材『星野君の二るい打」』の考察―」『奈良女子大学文学部研究教育年報』第14号(2017年12月)、 81-91頁。
栁澤有吾 「『手品師のように生きること』の意味―道徳教材『手品師』の考察―」『奈良女子大学文学部研究教育年報』第15号(2018年12月)、 55-65頁。
日本教育新聞電子版に書評(大久保俊輝・亜細亜大学特任教授) (https://www.kyoiku-press.com/post-231273/, 2021年6月14日)
朝日新聞全国版朝刊2021年7月5日で紹介 デジタル版(https://www.asahi.com/articles/ASP756367P63UTIL015.html/, 2021年7月6日)Yahoo!ニュースで取り上げ、コメント約100件
YouTube「ロザンの楽屋」【道徳】星野君の二塁打 ( https://www.youtube.com/watch?v=Yre1uAySYxo, 2023年3月) 5.6万回再生 コメント約450件
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中瀬古 哲 氏(神戸親和女子大学) 『「星野君の二塁打」を読み解く』に触発されて
功刀俊雄 氏(奈良女子大学) ベーブ・ルースの「三るいライナー」 ――子ども向け犠牲バント物語の道徳教材化――
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藤井佳世 氏(横浜国立大学) 討議倫理学から見る道徳教育の展望と課題
有川淳一 氏(小倉工業高校) 「星野君の2塁打」から広がる世界、甲子園の土、そして高校での実践