オスロ(ノルウェー)
北欧4カ国の内、ノルウェーだけはECに加盟していない。観光客には便利な面と
不便な面とがある。おいおい触れて行く予定だ。海外の空港へ着いていつも感じることだが、
便利なリムジンバスがあるのに使いにくい。大きないくつかのホテルを巡回して、多くの場合
バスセンターかまたはその国を代表する航空会社の経営するホテルまでということが多い。
目指すホテルがそこから離れていればよいが、そこから100メートル程度のところではタクシー
にも乗れず、さりとて大きなスーツケースをひっぱって行くのは大変だ。そこでやむなく空港から
タクシーということになる。これが個人旅行の泣き所だ。
街並み 気候や言葉については、ヘルシンキのページで触れたのでスキップする。雨が
降ったら夏でも寒いことがある。街の中心部はそれほど広くないので簡単に歩き回れる。駅前から
まっすぐにのびる通りがメインストリートで、カール・ヨハン通りという。右手が高くなる
傾斜地の都市と思えばよい。駅の反対側の通りの突き当たりに王宮がある。歩いて20分
ほどか。途中にある円形の国会議事堂は珍しい。反対側にはオスロ大学があるが、大学を見たいと
いう人はまあ無いだろう。通りに面してオスロを代表するグランド・ホテルがある。1階に
あるグランドカフェが有名だということで、どんな立派な料理を食べさせてくれるかと期待して
いったが、×。宿泊したホテル・ブリストルの夕食の方がましだった。ついでに記すと、
ブリストルには、インターネット専用ルームが用意されていた。ただし、2400bpsの遅い
モデムで接続されていて、メールぐらいにしか使い道はなかった。
観光ポイント 半日コースのバスに乗ると、オリンピック用のスキージャンプ場、
ヴァイキング船博物館、コン・ティキ号博物館と彫刻の公園(フログネル公園)
を回る。 オスロの誇る建造物なのかもしれないが、ジャンプ台は全くくだらない。ヴァイキング船は
歴史的には価値のあるものだろうが、見てどうということはない。コン・ティキ号に至っては現代の
お遊びとしか思えない。
ゆっくり見てほしいのは、フログネル公園の彫刻だろう。第2次世界大戦前に一人の彫刻家
のアイディアにより構成されたもので、人生ドラマを克明に記録しているという感じ。100人以上の
老若男女が絡み合う姿を一本のタワーに構成した彫刻は、圧倒的な迫力を持つ。10年以上の歳月を
要したそうだ。恋愛、家庭団らん、苦悩、病気、死などをテーマにした石像が、公園内ところ狭しと
ばかりに並んでいる。これだけの公園を一人の彫刻家に任せる国もすごい。
交通機関 北欧の都市では、路面電車やバスの便がは大変良い。石畳の道を行く路面電車は
画になる。慣れない土地での公共機関の利用はおっくうな者だが、一度乗ったら止められなくなる。
ヘルシンキのところで書きそこなったが、一日乗車券や博物館や美術館が無料や割引になる○○
カードというものを多くの観光都市では発行している。旅程に余裕のある方には利用をお薦めする。
観光案内所などで販売されていて、購入した時刻から24時間とか48時間という風になっているところ
が面白い。半日使えば元は取れるし、いちいち乗車券を買う煩わしさから解放されるのは大きい。
流しのタクシーは少ないが、タクシー乗り場があちこちにみられる。ヨーロッパではベンツが
一番ポピュラーなタクシー用の車らしい。オスロでも初乗りというか、メーターの最初の数字は小さい
が、一桁目の数字がめぐるましく動くので、料金はそこそこになる。日本ほどガクッと上がることはない
だけ安心できる。英語はたいてい通じるが、固有名詞などの発音はどこでも難しい。
ソグネフィヨルドめぐり
フィヨルドはノルウェーの誇る観光資源で、およそ100万年前に氷河の浸食によって出来た、Uまたは
V字形の峡谷で、西海岸に集中している。その中でももっとも有名なのがこのソグネフィヨルドで
ある。 オスロからは列車を乗り継いでゆくコースが設定されている。7時42分にオスロ中央駅を出た
列車は、およそ5時間でミルダルへ着く。ここから高原(山岳)列車に乗り換える。途中で見られる
氷河からの瀑布は見応えがする。実は以後のコースではこれほどの景観は見られない。列車の途中でちらっと
見るだけでもこれほどすごい、これからどんな景観が見られるのかと思わせるところがにくい。後は大した
ことはないのだから。列車はこの場所で10分ほど停車し、カメラの便宜を計ってくれる。列車から降りて
渓谷の近くまでゆける。約1時間でフロムという船着き場に着く。
観光船はフィヨルドの谷底の水面をゆく。「雄大な景観をお楽しみ下さい」、といってくれるが、それほど
のことはない。日本語の解説も流れる。それだけ日本人が多いということである。しかし2時間は退屈する。
見る楽しみは、最初の30分か1時間ぐらいであろう。見なければ残念と思うだろうが、見てもそれほど見てよかったとは思わない微妙な風景。船をグドヴァンゲンで降り、バスの乗り換えて鉄道の
駅まで行く。そこから今日の最終目的地ベルゲンまでは、ほぼ1時間半、午後8時18分着である。12時間
以上のコースだったことがわかる。疲れる。逆コースも設定されている。すべて日本でまとめて予約できる。
ベルゲン 今夜の泊まりは、チューリップイン・レインボー・ローゼン
クランツという割と小さなホテル。ベルボーイなどはいない。創業はかなり古いらしいが、改装されて
いるので心配ない。クレジットカードで支払いの出来るインターネット端末が設置されていた。観光ポイント
へは、すべて徒歩でゆける位置にあるという点でお薦めできる。
夕食は、シーフードが評判というので、エンヨーニンゲン(栄養人間と覚えた)へ行く。ユネスコの
文化遺産に指定されているという木造長屋の1軒で2階へ上がる。古い港町の雰囲気が漂う。とれとれのシー
フードが食べられる。混んでいて断られることがある。
観光ポイント 小さな街なので、徒歩で十分だ。半日あれば全部見て回れる。ここも港町なので港に
市が立つ。もちろん海産物が主で、ここでも日本語の案内文があるのには驚いた。サーモン、エビ、ざりがに、
クラブなど。
まず、ケーブルカーで街を見下ろせるフロイエン山へ登る。ここで2,30分過ごしてから、街へ
降りる。カードを使えば何回乗ってもよい。ここから北へ向かうと、ユネスコの文化遺産の町並みを過ぎた
あたりから、石造りのローゼンクランツの塔が望まれる。ここもカードでフリーパス。らせん階段を
上った最上部からは、港と街が別の角度で見下ろせる。ホーコン王の館が隣接している。中へは入ら
なかったが、ノルウェー最大の中世の石造り建造物だそうである。山の手の方へ迂回すると、マリア教会
がある。これもベルゲンでは最古の建物だそうで、12世紀に建てられたとか。作曲家のグリーグはこの
町の出身で、グリーグホールという建物もあるが、新しすぎてみるほどのことはない。これでだいたい終わり
である。しかしベルゲンは味わいのある、もう一度訪ねてみたい港町である。
税金還付 ノルウェーはECに加盟していないので、ヨーロッパの他の国との間で入出国するときは、いちいち税金還付の手続きをしなければならない。なにしろ25%もかかっているので大きい。日本へ店から直送するときは自動的に無税扱いになる。ECの中だけで行動しているときは最終出国地でまとめて1回手続きすれば済むが、ノルウェーを通るとこれだけ面倒になる。利点もあって、窓口では原則として還付を受ける品物をすべて見せなければならないので、ノルウェーを通ることで一度に見せるものが減るのは便利だ。
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