ヘルシンキ(フィンランド)
 北欧4カ国の内、フィンランドだけが共和国で、スウェーデン、ノルウェー、デンマークは立憲君主国だ。北の端ラップランド地方で、スウェーデン、ノルウェーと陸続き、東側もロシアに接している。その首都ヘルシンキに降り立ったのは8月3日午後11時50分、やがて4日になろうとするところ。真夏の訪問だ。フィンランドは、南側はバルト海に沿っている。『バルト海の乙女』の愛称にふさわしく、緑豊富な美しい街だ。海を隔ててスウェーデンがある。

気候 真夏は、日中は日照りが強く25度以上になるからTシャツや半袖ポロシャツで十分だが、雨が降ったり夕刻になると急に気温が下がり、15度ぐらいになるので夏服では心許なく感じるときもある。旅行ガイドには夏服でOKとあるが、合服か、トレーナーぐらいの保温がほしい。湿気は少ないので、ステテコなどのズボン下はいらない。

言葉 フィンランド語はハンガリー語などと同じアジア系で、英語からの類推はほとんど不可能だ。しかし、多くのの国民が英語を少なくとも私よりはきれいに話すから問題ない。長年スウェーデンの統治下にあったので、スウェーデン語を話す国民が未だわずか残っているため、標識などは2カ国語で書かれ、そのどちらにも不慣れなものにはわかりにくい。レンタカーを利用しようとするものは要注意。

  こんにちは  hei(ヘイ)    ありがとう  kitos(キートス) (スウェ−デン語では tack(タック))

街並み 100年以上もロシアの統治下にあったためか、石造りの重厚な建物が多い。その一方で、新進の建築家らによって作られた建物も多く、両者がうまく調和して美しい街並みを形成している。観光して回るべき建造物が多い。夜の街がネオンサインに毒されていないのは気持ちがよい。ヘルシンキには多くの公園が点在する。緑豊かな街路樹も数多く見られる。水辺の公園は特に美しい。広い公園に人っ子一人いない光景は、日本では想像できない。

交通機関 路面電車やバスの便は大変良い。十分観光に利用できる。石畳の道を行く路面電車は画になる。慣れない土地での公共機関の利用はおっくうな者だが、一度乗ったら止められなくなる。 切符を運転手から購入して日時刻印機に自分で差し込むところなどは最初はとまどうが、誰かが教えてくれる。(刻印の入った切符を渡す電車もある)抜き打ちの検札で刻印なしや切符なしが見つかると罰金が高いそうだ。 一日いるなら一日券や10回券が便利だ。 左に長いのが回数券、右は1回券。日時刻印機に入れるたびに印字されて行く。
乗降車の駅名はなかなか1回では覚えられない(発音できないものがある)。地図やガイドで確かめておこう。あなたはtemppeのカタカナ書き「テンッペ」を発音できますか?声による案内はないが、運転手の後ろの壁に次の駅名が表示される。

流しのタクシーは少ないが、タクシー乗り場があちこちにみられる。初乗りというかメーターの最初の数字は20マルッカ(400円弱)と少ないが、一桁目の数字が忙しく動くので、料金はそこそこになる。日本のように離散的に上がることはないだけ安心できる。英語はたいてい通じるが、固有名詞などの発音は難しい。

観光ポイント ヘルシンキで3個所といわれたら、マーケット広場、元老院広場、テンッペリアウキオ教会を挙げる。石畳の道を歩くというのもいい感じだ。( 枠付きの写真はクリックして下さい。大判で見られます。)

           マーケット広場より          元老院広場        テンッペリアウキオ教会内部

 マーケット広場は港に面した広場で、取れたての魚介類、新鮮な野菜果物や工芸品などが露天として店を開いている。こんな楽しいところはない、という感じ。 広場の周りには、ギリシャ正教の総本山と言われるウスペンスキー寺院や指呼の間にある元老院広場にそびえるヘルシンキ大聖堂が望まれる。ヘルシンキにいる間毎日訪れても飽きなかった。
 元老院広場は、全面に石を敷き詰めた壮大な広場で、中央にアレクサンドル2世の像があり、北に白亜のヘルシンキ大聖堂、南西東が官庁街となっていて、一段と高い大聖堂からは港も見える。
 テンッペリアウキオ教会は小高い坂の上にある。岩山をくりぬいて建築したとかで、内部は岩肌がむき出しになっており、ドーム型の天井からの自然光による美しい空間を作っている。教会なので祭壇はもちろんだが、パイプオルガンも岩肌に取り付けられている。これでは音響効果が心配になるが、演奏会を聞きにいった範囲では、大変よい環境だったと思う。
 この教会の代わりに、シベリウス公園をあげる人がいるかもしれない。確かに日本からのツアーに多く組み込まれている。写真のようなステンレス製のパイプによるモニュメントが建てられた公園で、大作曲家シベリウスの顔をかたどった碑も横にある。ただそれだけといってしまえばお終いかもしれない。(この公園への路面電車の便はない)

ショッピング いちばん大きなデパートは、古色蒼然としたストックマン(Stockmann)という。ここは街の中心にあるので、観光途中のトイレ利用に好都合だ。わざわざ喫茶店や土産物店で借りるよりは、きれいで使いやすいからおすすめのメモだ。商品には特に目立ったものはない。デパートの前に3人の鍛冶屋の像がある。もちろんこのあたりの道は石畳だ。8月はじめはここもセールの時期だった。
 変わったおみやげをお望みならば、陶磁器のアラビア(Arabia)、キッチン用品のアーリッカ(Aarikka)がよい。どちらもマーケット広場やストックマンから近く横が大きな公園になっていて、お買い物環境がよい。セーター類はノルウェー製が多いのでそちらへどうぞ。フィンランドのブランド品というものはなになのだろうか?ボッパナ織りの生地などだろうか。


TAX FREE 北欧諸国はいわゆる消費税が高い。25%もとられるが、旅行者は免税されるので、有効に使おう。内税なので価格に入っているから、3/4の値段で買えると思えばよい。手続きは空港で行うので面倒だが、もし日本へ直接送付してもらうなら、自動的に免税になるので、荷物が多ければ便利な方法だ。

レストラン
 あまり出かけていないのでお薦めできるレストランはほとんどない。マーケット広場に接しているところにあるカッペリ(Kappeli)という店は、カフェも併設しているが、予約していった夕食は、日本人の口に合うリーズナブルの味・値段だった。窓際のテーブルが予約できれば夜景がきれいだ。トナカイのステーキがうまかった。

宿泊したホテル
  北欧ではスカンジナビア航空が観光の要所を押さえているので、系列のホテルは高級なのが多い。空港への便宜がよい。その一つでラディソンSASヘスペリア・ホテルで、街の中心から路面電車で3駅離れている。かなり高級。ツイン室料は割引で1.5万円ぐらいだった。観光などの交通の便をとるなら、バスセンターの前で駅に近いラマダ・プレジデンティがある。北欧のホテルはどこもそうだったが、ベルボーイがいるとは限らない。フロントへ頼めば運んでくれるが、黙っていて手助けしてくれるサービスは少ない。



ヘルシンキ郊外
スオメリンナ要塞
 ヘルシンキの港のまわりには多くの小さい島が点在している。その中でも比較的大きな島の一つがスオメリンナ島という。1時間ぐらいで一巡する島巡り観光船が頻繁に運行されている。 島巡りは簡単に済むので乗船する価値あり。要塞はロシアの攻撃から守るため築かれたものだという。ユネスコの世界文化遺産に登録されていると言うことだが、どこがよいのかさっぱりわからぬ島だ。だだっ広い島にいくつかの歴史的建造物や博物館がある程度で、わざわざ訪れるほどのところではない。パスした方が賢明。

ナーンタリ(ムーミン村)
 ヘルシンキから列車でトゥルクまで2時間ほど、そこで乗り換えて15分ほど、さらにナーンタリまでシャトルバスを運行している。ナーンタリは美しい景観を持つリゾート地だ。海岸に面した街で、夏は特に美しい。 その先、橋をわたるとあの有名なムーミンをテーマにした公園がある。カイロ島という。作りは全くちゃちでわさわざ大の大人が出かけるところではない。ヘルシンキからだと1日つぶれる。隣接しているフィンランド最古の都市トゥルクやナーンタリに重点を置いた計画の方がよいようだ。

列車の利用
 社会福祉の充実した国らしく、65歳以上の高齢者の料金は半額だ。これは大きい。旅行ガイドには、パスポートの提示が求められる場合があると記されている。割引を使用して1等に乗ってもよいが、2等でも乗り心地よく十分きれいだ。慣れていない駅などの利用には、1時間ぐらいは余裕を持って出かけた方がよい。

    ヘルシンキ駅構内


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