酔いどれSS番外編2第一話(ときメモ風バトルロワイヤル)

ときメモ2バトルロワイヤル風SS第一話『発端』

2001年、某月某日、ひびきの市、ひびきの高校にて・・・。

竹内は、いつもと変わらない平和な日々に退屈しきっていた・・・。平和という事は良い事なのだが,彼の心にはぽっかりと何かが抜け落ちるような虚脱感が湧き上がっていた。

しかし、ある日突然,竹内は人生の中で最も刺激的な体験をすることになるのであった・・・。

竹内「あ〜あ,何か毎日が退屈だなあ・・・。何か刺激的な事でも起きないかな〜。」

竹内は暇を持て余したようにしてポツリとそんな事を洩らしていた。

そこへ・・・

花桜梨「竹内君。」

竹内と、ほとんど恋人関係と言っても過言ではないくらい仲の良い少女、八重花桜梨が話し掛けてきた。

竹内「ああ、花桜梨さんか。どうしたの?」

花桜梨「あ、うん、特に用って訳じゃないんだけど、何か退屈そうだったから・・・。」

竹内「まあね、平和すぎて退屈なんだ。何か変わったことでも起きないかな〜ってね。」

花桜梨「そう?私は平和な事って良い事だと思うけど。・・・竹内君は嫌なの?」

竹内「いや、嫌いってことじゃないんだ。ただ、何て言うか、何の刺激もない日々をただ淡々と生きている気がしてならないんだ。だから、自分が生きているんだなって実感するような体験がしたいんだよ。」

花桜梨「そうなんだ・・・。あの・・・,竹内君・・・?今日、家に来ない?」

竹内「え?いいの?」

花桜梨「うん。今日はお母さんは帰らないみたいだし。あなたさえ良ければ・・・・。」

竹内「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうよ。学校が終わったら校門前で待ち合わせよう。」

花桜梨「うん、それでいい。待ってるから,私・・・。」

そして、あっという間に時間は流れ・・・。

放課後・・・

竹内「花桜梨さーん!ごめん!お待たせ!!」

花桜梨「あ、竹内君。じゃあ行きましょう。」

二人は連れ添って歩き出した。竹内は今までに何度か花桜梨と一緒に下校した事はあったが,学校から直接花桜梨の家に行くのは初めてだったので,若干緊張していた。

竹内「(あ〜・・・,何か緊張するなあ・・。花桜梨さんの部屋には一度しか入ったことないからなあ・・・。)」

花桜梨「竹内君?歩き方がぎこちないよ?どこか身体の具合でも悪いの?」

竹内「(ギクッ!!)あ、いや、何でもないよ。ただ、花桜梨さんの家に行くのは誕生日にプレゼントを渡しに行った時以来だからね。ちょっと、その時の事を思い出していたんだよ。」

花桜梨「うふふ、あの時は本当に嬉しかったな・・。あなたから貰ったバレーボールシューズはちゃんと大切に使っているよ。」

竹内「そうみたいだね。よく部活の時に履いてたみたいだし。花桜梨さんに喜んでもらえたなら俺もプレゼントした甲斐があったよ。」

こんな感じで二人は談笑しつつ花桜梨の家に向かっていた。

一方,某委員会会議室では・・・。

委員長「やはり、この問題を解決するにはこれしかないのか・・・。良心が痛むな・・・。」

役員A「ええ、そうですね。非情に辛い選択ですが、やむをえない処置だと思います。」

役員B「しかし、問題は誰を選ぶか・・・・ですね。」

委員長「ああ、その件に関しては全く問題はない。」

役員B「と、言いますと・・?」

委員長「人員については既に決めてある。」

役員C「(既にメンバーを決めていた・・・?良心が痛むとか言っておきながら、随分手が早い事だな・・・。ふん。)」

役員A「それでは、そのメンバーと言うのは・・・・。」

委員長「メンバーを発表する前に言っておこう。この件は機密事項だ。この場にいる我々以外のいかなる人物にも口外無用だ。いいな?」

役員一同「はい。」

委員長「よろしい。B計画のメンバーを発表する。男子10名、女子10名の計20名だ。男子から名前を挙げる。一人目は穂刈純一郎、二人目は坂城匠、三人目は竹内秀彰・・・四人目は――――――。」

役員B「なるほど、そのメンバーを選んだ理由と言うのは・・・?」

委員長「厳正なる審査の末、今回の計画において人物的に適しているか。そして性格、身体的、心理的状況を考慮した結果だ。」

役員B「・・・。」

委員長「続いて、女子のメンバーの名前を順に挙げていく。一人目は陽ノ下光、二人目は寿美幸、三人目は白雪美帆、四人目は水無月琴子、五人目は・・・・・・そして、最期に八重花桜梨。以上10名だ。」

役員C「女子のメンバー選抜の理由に関しても男子と同じですか?」

委員長「いや、それもあるが彼女たちは男子メンバーと仲の良い者、悪い者をあえてまとめて選抜した。」

役員A「それは何故です?」

委員長「人間と言うものは極限状況に追い詰められると、非情に普段では見られない行動を取るものなのだよ。そして、それは仲の良い者同士であろうと、悪い者同士であろうと同じ事だ。」

役員C「(・・・・要するに,選抜メンバーの極限状況下での行動をウォッチして、どのような結果になるかレポートすると言う事か・・・。ちっ!サイコ野郎め・・・!)」

委員長「・・・君。この計画に不満があるようだな?」

役員C「!?・・・・いえ。」

委員長「分かっているとは思うが、この計画によって未来の青少年の教育に関して多大な影響を与えることになる。彼らには悪いがこれは名誉ある犠牲なのだよ。心を鬼にして彼らを観察しようではないか。」

役員C「はい・・・。(観察だと・・!?こいつ、人間を何だと思っていやがるんだ・・・!)」

委員長「では、これでB計画についての会議を終わる。」

竹内たちの知らないところで不穏な計画が準備されているとは知らずに,彼らはそれぞれの日々を送っていた。

彼らは皆どこかで今までの平和な日常が退屈でつまらないと感じていた。だが、その平和な日常と言うものの大切さを心から知ることになる。そう、この事件によって・・・。

そして、ついに計画実行の日が訪れたのであった・・・。

(第壱話・完)

<第弐話に続く・・・> 
      

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