逮捕しちゃうよっ!!名雪&香里
第二報告書 「飛んで火にいる泥棒さん」
キィッ ボッボッボッボッボボボボボ
午後九時少し前、華音市のとあるマンションの地下駐車場に車が停車する。
車種はトヨタのS800、通称ヨタハチの昭和42年モデルである。
ガチャッ バタン
ヨタハチから降りて来たのはおなじみ名雪と香里。
「ふぅ〜今日も忙しかったね〜。」
「そうねぇ、あんたが今日も早く起きてくれなかったからなおさらね。」
「でもでも、努力はしてるんだよ。」
「だったら早く結果を出して頂戴ね。期待はしてないけど。」
「う〜、頑張るよ。」「ふふふっ。」落ち込む名雪にくすくす笑う香里。
「さ、早く部屋に帰りましょ。」
「そうだね、早く帰らないと映画始まっちゃうもんね。」
「でもあんた、今日の映画ビデオ録画してるんでしょ」
「そうだけど、やっぱり放映されている時間帯で見たいよ。」
名雪が見たがっている映画のタイトルは「222匹ねこさん大暴走」
222匹の猫が街のあちこちで騒ぎを起こすコメディーである。
「ねこ〜ねこ〜♪」映画の内容を想像してか早くも興奮気味の名雪。
だが、二人が部屋の前に来たその時・・・
ピッピッピッピッピー
香里がバッグから小さな機械を取り出す。
「ええっ、嘘?」
「どしたの香里?」機械を見て驚く香里に名雪が問う。
「ちょっと静かにして」「うん、分かったよ。」
「何かあったの?」「大有りよ、部屋に侵入者が居るわ。」
ひそひそ話す二人。
香里が持っていたのは香里が部屋に設置しているセキュリティーシステムの携帯用センサーである。部屋の近くまで行かないと使えないが、外からでも部屋に居る侵入者の存在を感知できる。
そお〜っと部屋の鍵を開け、玄関にある監視モニターを覗くと、そこには人影が・・・
位置を確認してみると、どうやら香里の部屋にいるらしい。
「おかしいわね〜?生半可な事じゃ突破できないシステムなんだけど。」
「う〜ん、プロの泥棒さんかもしれないよ?」そう言う名雪。
しかし、モニターから見えた泥棒の顔は、香里の下着に頬ずりして悦に入っているスケベ面のハゲ男。
「腕利きの泥棒って雰囲気とは程遠いわね」渋い顔で呆れる香里と
「う〜ん、ただの変態さんだね。」頷く名雪。
「ああ〜っ、あの下着私のお気に入りじゃないの。これは徹底的にシバキ倒す必要があるわね。名雪、オペーレーションサンダーボルトバス(電撃風呂作戦)やるわよ。」
「うん、分かった。じゃあ、私がおびき出すね。」
打ち合わせの後、二人は行動を開始した。
ガチャッ バタン
「ただいま〜♪ あ〜疲れたぁ。」
「そうね、今日もきつかったわね。」
泥棒に聞こえるようにわざと大きな音を出してドアを開閉する二人。
「げぇっ帰ってきやがった。」泥棒はその音を聞いて慌てる。
「ねぇ〜香里〜。わたし先にお風呂に入っていいかなぁ?」
「いいわよ。」これまた聞こえるように大きな声で会話する。
「何ぃ?お風呂?へへへへへへこりゃいいぜぇ。裸になってくれりゃあいくらでも対処の使用があるってもんよ。」
「そうだなぁ。風呂場で待機して入ってきたところを捕まえて・・・待てよ?二人いたから一人を人質にして、まとめて可愛がってやるか。」
スケベ面全開でニヤケながらこそこそと風呂場へ移動する馬鹿一人。
おーい、取らぬ狸の皮算用って言葉を知っているか〜?
「さぁて、どんな女かなぁ〜?」風呂場をこっそり覗いてみると・・・
名雪が脱衣所に入ってきて服を脱ぎ始めていた。
「うおっ極上の美人じゃねーか。胸もあるし、ふとももや尻も良い形だぜ。でも、なんで顔は白いのに体の肌の色はどす黒いんだぁ?」
そう、名雪の体は顔より下の肌の色が真っ黒になっていたのである。
「う〜、今年の夏は調子に乗って焼きすぎちゃったよ。まだ色落ちないんだもん。」
独りぼやく名雪。
「へっなんでぇ日焼けか。まぁ色なんてどーでも良いわな。後は入ってきたところを押し倒して・・・ぐひゃひゃひゃひゃひゃ。」そんな事を考えてたその時。
名雪は風呂場に飛び込んで顔面に飛び膝蹴り一発。
ドカッ
「げうっ。」鼻を押さえて悶絶する泥棒に、
「警察官のお家に不法侵入するなんて良い度胸してるよね〜」
「げえぇぇぇぇぇぇぇぇ!?警察官の家ぇぇぇぇぇ!?」鼻を押さえて驚く泥棒。
「香里〜、そっちの準備できた〜?」
言葉とともに泥棒を担いで浴槽の中に投げ飛ばす。
ブンッ ドゴッ バッシャーン
「準備オーケーよ。はいはーい、お馬鹿な泥棒一名様電撃風呂へごあんなーい♪」
風呂場では名雪と同じく顔から下は真っ黒な香里が何かの装置を持って風呂場で待機していた。
「さぁ〜て、覚悟はいいわね?あたしの下着を盗んだ罪は重いわよ。くらいなさい。」
ブゥワリバリバリバリバリビシャズゴー
香里が持っていた装置を風呂に放り込むのと同時に凶悪な電撃が泥棒を襲う。
「グガゴアラボべペアガガギグガゴゲノピペポ〜!?」
もはや何を喋っているのか分からない泥棒。
名雪と香里の肌が真っ黒だったのは電気よけのラバースーツを着ていたのだ。
だから強烈な電撃の近くにいても全然平気。
電撃でお仕置きした後、名雪と香里は犯人を荒縄でグルグル巻きに縛り付けた。
それはさながら蓑虫のようである。
「ふっふっふっふ、あの電撃だけでお仕置きが終わったなんて思ったら大間違いよ。これからが本番。あんたにはもっと反省してもらうんだから。」
香里は気絶から回復した泥棒に、冷たい笑みを浮かべて語りかける。
「名雪、こいつを外に放り出して頂戴。」
「おっけ〜だよ〜♪」
スタスタスタ
ギュギュッ
ポイ
名雪は泥棒蓑虫を担いでベランダに運び、縄の一部をベランダの柵にをくくりつけて放り出し、本当の蓑虫のように吊るしてしまった。
「あんたはそこで一晩頭を冷やしてなさい。それと、暴れると落ちるかもしれないからおとなしくしておいた方が良いわよ。」
「明日になったら、朝一番で署に送ってあげるからねぇ〜♪」
もはや慈悲のかけらも無いお言葉であった。
「ふがもがふがが〜(泣)」近所迷惑対策に猿轡までかましてあるため、大声を上げることもできない泥棒であった・・・
「でも、あんな間抜けな奴にあたしのセキュリティー破れるとは到底思えないんだけど。」呟きつつふとセキュリティーシステムの電源を見てみると・・・
電源がOFFになっていた。
「なぁ〜ゆ〜き〜、あんた遅刻しそうだからって、電源入れるの忘れてたわねぇ〜(恕)」
「えっ?あ、あはははは。ごめんね香里っ。」焦りつつ手を合わせて謝る名雪であったが、
「許せるかぁ〜。あんたもお仕置きよ〜。」
「あ〜ん、ごめんってば〜かおりぃ〜。」
名雪はしばらくの間香里に追い回される羽目になった。
皆も家の戸締りと防犯装置の確認は確実にしようね♪
「勝手にまとめてんじゃないわよっ。」
次回へ続くよ〜
おまけ
「名雪、あんたのせいであたしの下着が何枚か使えなくなったんだから弁償してもらうわよ。」
「ええっ〜!?そんなぁ〜。」
「問答無用っ!!そうねぇ、ただ下着を弁償してもらうのは面白くないから、あんたの彼氏に下着を売るってのはどうかしら?。」
「う〜ん、でも祐一(彼氏の名前ね)だったら喜んで買取ってくれるよ。それに、わたしも祐一にだったらあげてもいいしね・・・ぽっ(/ / /)」照れまくる名雪。
「誰が惚気ろって言ったのよ・・・これじゃあ罰にならなじゃない。」
「あっそうだ、名雪の下着を写真付きでネットオークションに出すってのはどうかしら?うふふふふ、名雪のなら絶対高く売れるわよ〜♪」
「ふえぇぇぇぇぇ〜ん、お願いそれだけは許してぇ〜(T_T)。」
結局名雪は、香里に下着の代金分食事を奢る事で許してもらえたそうな。
う〜む名雪の下着のオークションかぁ、本当にあったら参加したかったなぁ〜。
ツンツン
「ナレーターさん♪(にこにこ)」
んげぇ ナユキサンイツノマニワタシノハイゴニ?(滝汗)
「今さっきだよ。それでねぇちょっと言いたいことがあるんだけど〜?」
ハイ、ナンデセウカ?(激滝汗)
「えっち、すけべ、変態さ〜ん。」
ドゴスッ(名雪のドロップキックが炸裂した音)
「ぐはっ(+_+)」
第二報告書本当におしまい
第三報告書へ続く
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