軽井沢(古めかしくは「かるゐざわ」)         2001.5
歴史 明治の始めカナダ籍の宣教師、アレキサンダー・クロフト・ショーが別荘を構えてより、 ここ軽井沢は避暑という贅沢な習慣を楽しむことの出来る階級に愛されてきた。その軽井沢も戦後の財閥解体や上流階級の 変遷の結果、氏育ちは問わずお金持ちならばもてる別荘地として栄えている。しかしここ20年ほど軽井沢は様変わりして、 いわゆる軽井沢族は喧噪を避けてさらに奥へと逃げ延びていった。いまの軽井沢はその中心街を見る限り東京原宿を歩くのと 変わりはない、若者の街になっている。からまつの林間を歩めば、静寂な雰囲気も感じられ、別荘族の愛した軽井沢のにおい ぐらいは感じられる。南へ西へ東へと林間を塗って広がる別荘は、新築が増えている。数百坪の宅地にゆったりとしたただ住まい は別の階級人々の事とはいえ、どれぐらいの維持費がかかるのか心配になる。
見どころ 旧跡は1日散策すれば十分見て回れる。萬平ホテル から出発すると、そのすぐ裏手にこれぞ軽井沢というからまつ林の石畳道に出る。ハッピーバレー(幸福の谷) とよばれ、外国人達のお好みの散策道だったそうである。もっとも軽井沢らしいところの一つ。川端康成は「雪国」の賞金でこの地に別荘を構えたそうである。ここからメインストリート へ出、シンプルな造りの聖パウロ・カトリック教会をへ、三笠通りをしばらく北へ進むと、 旧三笠ホテルに至る。このホテルは、上流階級や外国人達が舞踏会や野外園遊会などを楽しんだ由緒あるところらしい。 内部の造りは当時のままを残しているjので暮らしやすかったとは思えないが、当時の優雅さをしのばせる。軽井沢ではお薦めの所。

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聖パウロ教会
三笠ホテル
ハッピー・バレー
別荘族御用達の店 旧軽井沢(縮めて旧軽)が、いわゆる軽井沢の中心である。旧軽ロータリーからのびる旧中山道が メインストリートとなっていて、別荘族御用達の店が軒を並べると、言いたいところだが、現実にはぽつりぽつりとしか残っていない。軽井沢銀座と 称されたこともあるそうだが、全般的に見るべきものなしが結論である。
 ジョン・レノンが毎朝買いに訪れたパン屋とかジャムなどが、名物として受け継がれている。由緒あるパンでも、当地で食しない限り購入しても しょうがない。ガイドブックによると、ジャムの老舗中山農園のもの以外は、そのほとんどが軽井沢外からのものだそうである。
グーズベリーは珍しく、酸味と甘みの調和がとれていておいしい。 
 さすが喫茶は古風なもの伝統あるものなど色とりどりで、何処もそこそこの味を出している。話の種には萬平ホテルのテラスなどがお薦めだが、 旧軽ロータリー近くにある珈琲歌劇、シェークスピアの生家を模したという邸宅をわざわざ芦屋から移築させ たとかいう店も雰囲気がよい。
駅前 オリンピックを契機に開通した新幹線の軽井沢駅は田舎町の駅という感じで、周りは鄙びているという風情もなく つまらない。最近南側にかなりのスペースを割いてアウトレットが並ぶ町造りが行われているが、これも 若者主導で我々には見るべきものはない。むしろ浅間山がよく見える方向に障害物を置かない工夫が望ましい。5月にはまだ残雪できれいなはずだが、 ここからは見えにくい。
駅前のアウトレット群

結局  軽井沢の中心地のみを観光するならば1日か2日で十分だろう。別荘ライフの雰囲気を楽しむつもりならば、少し張り切って真夏に 長逗留してみてはいかがだろう。ペンションもかなり見いだせる。