67歳を迎えて
2018.3
私は60歳で教職を完全リタイアした。私は趣味の多い人間であるから、退職後もやることが多いだろうと思っていた。
しかし、今思えば、やめて3年くらいは何をしていいかわからずうろうろしていた時期だったと思う。
高校の同級生が歩こう会をするというので二年ほど熱心に参加したが、自分の脳が活発に動き出すと、他人が決めたとおり動くことに我慢ができなくなり、参加しなくなった。そのかわり、私は自分一人で京都の町を歩き回ることを始めた。
退職後の大きな課題として、なんとか地域に根付きたいと思った。そこで近くの中学校の実行委員や学習ボランティアを引き受けた。しかし、教職をやめて何年も経つと、中学校にかかわることが自分の転職であるというのは、過去の仕事からくる単なる思い込みであったことに気づく。
中学校に関わることには、今の私にはそれほど関心はなく、むしろ自分のやりたいことをする時間を削られるとの思いが強くなった。
そこで、今年の四月からは実行委員も学習ボランティアもやめる。
退職後は友人関係も広げた。特に同窓生との集まりは自分の青春時代が戻ってくるような気がして積極的に参加した。しかし、思い出話に花を咲かせるのも最初の二回で、あとはおじいさん、おばあさんとつきあっているという感じだけしか残らなくなった。
結局、退職して5年で自分のやりたいことを見つけた。となると、自分の自由な時間をそちらに使いたくなった。
だから、地域関係も手を引いたし、同窓生の関係も大幅に縮小した。
そして、今日に至る。
自分の青春時代を取り戻すのは、他人に頼っていてはだめだ。最後は自分一人で夢の続きを見るのがいいと思うようになった。