三寒四温のうちに、春の息吹が感じられる頃となりました。

このよき日に、教育委員会 委員長職務代理者をはじめ、多数の御来賓の方々並びに保護者の皆様方の御臨席を賜り,本校 第26回 卒業証書授与式を挙行できますことは,私どものこの上ない喜びであり,心より感謝申し上げます。

 ご来賓のみなさま、本日は公私何かとお忙しい中、本校の

26回卒業証書授与式にご臨席を賜り、誠にありがとうございます。高いところからではございますが、心より御礼申し上げます。

 また、3年間地域で子どもたちを見守り、育んでいただきましたことに、深く敬意を表したいと思います。

 保護者の皆様、お子様のご卒業、おめでとうございます。 

 保護者の皆様におかれましては、本校入学以来、お子様の健やかな成長を願い続けた日々を思われ、ここに、たくましく成長されたお子様の晴れ姿を目にされて、喜びもひとしおのことと存じます。心より、お祝い申し上げます。また、この間、本校教育の充実と発展のために寄せられましたご理解とご協力に対しまして、厚く御礼申し上げます。 

 さて、卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

 

先ほどお渡しした卒業証書には,3年間のみなさん自身の頑張りと,中学校入学以来,ひたすらみなさんの成長を願い続けてこられた家の方の心が込められています。どうかいつまでも大切にして欲しいと思います。

今日は卒業生の皆さんに二つのことをお話しします。

 

その一、困難を乗り越えること

  ワインというものがあります。ワインはブドウから作られるのですが ワインになるぶどうは野生の状態に近いもののほうがよいのだそうです。砂利まじりの土地で、気温も低い恵まれない自然条件の中で、必死に育ったブドウだけがよいワインになるというのです。まさに「努力を見せたブドウ」がワインの品質を決めるといってよいのです。

  皆さんは、今後、様々な困難と出会います。

  そのとき、このワインの話を思い出してほしいのです。苦しみに耐え、さらにやる気を見せたとき、ひとりの人間としての魅力、自分自身の本当の輝きが現れます。あきらめないで、一歩でも半歩でも前に進もうと努力することが大切です。

 「努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る」 

小説家 井上靖の言葉です。皆さんは、いつも希望が語れるよう、努力を続けていってほしいと思います。

 

その二、一生涯学び続けること

  勉強は、学校時代だけで終わるものではありません。中学校では、いわば基礎の基礎を学んだに過ぎず、本当の勉強はこれから一生涯続いていきます。なぜなら、今は知識や技術の賞味期限がうんと短くなっているからです。私の世代では、一度身につけた知識は、30年間は使えました。今は知識の賞味期限が5年も持てばいいほうです。   例えば音楽でCDからMDへ、MDからデジタルオーディオへという流れを見れば実感できるでしょう。  だから、生涯にわたって知識や技術を勉強し、新しいものに入れ替えていくことが大切なのです。

 一生涯学び続けることの、もうひとつの理由をお話ししましょう。

  現在我が国の経済はよくない状態が続いています。我が国は、アメリカに次ぐ世界第二位の経済大国の座を長年維持してきましたが、今年、この第二位の座を明け渡すことが確実になりました。

 そして、かつて技術大国を誇った我が国の技術にも、かげりが見え始めています。

こういった社会の状況を考えると、あなた方若い人たちは、これからもっともっと勉強して、たくさんの知識や技術を身につけていくことが大切です。

 言い換えると、こういう変化の激しい時代に、自分の力を十分発揮するためには、生涯にわたって勉強し、世界に通用する知識や世界に通用する技術をリアルタイムで身につけていくことが必要なのだと思います。

 これからは、世界にもしっかりと目を向け、世界の人たちとともに活躍できるよう、しっかりと学び続けていってください。

今日は、卒業にあたって、困難を乗り越えてこそ人は輝く ということと、一生涯学び続けること、について話をしました。

私は みなさんと出会えたことを喜び,中学校を巣立つみなさんの門出をお祝いし,更なる成長を心から期待いたします。

  名残は尽きませんが,卒業生の前途に幸多かれと祈り、私の式辞といたします。

 

     平成23311