三寒四温のうちに、校庭の花のつぼみもふくらみ、桜の開花が待たれる頃となりました。
この、よき日に、卒業生、在校生、保護者、来賓の皆様、教職員一同相集う中、本校の栄えある、第四十回の卒業証書授与式を挙行できますことは、このうえない喜びでございます。
本日、保護者の皆様には、本校入学以来お子様の心身の健やかな成長を願い続けた日々を思われ、ここに、たくましく成長されたお子様の晴れ姿を目にされて、喜びもひとしおと存じます。心から、お祝い申し上げます。
また、この間、本校教育の充実と発展のために寄せられましたご理解とご協力に対しまして、厚く御礼申し上げます。
ご来賓のみなさま、本日は公私何かとお忙しい中、本校の第四十回の卒業証書授与式にご臨席を賜り、誠にありがとうございます。六年間、地域で子どもたちを見守り、育んでいただきましたことに、心より厚く御礼申し上げます。
卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
今日は皆さんに二つのことをお話します。
ひとつは、学び続けることは大切、というお話です。
皆さんは六年間色々なことを勉強してきたわけですが、どんな感想を持っていますか。実はこの六年間でたくさんの不可能を可能にしてきたのです。
例えば、一年生のときに一生懸命に数を数えたのが、九九を覚えたことで一瞬で答えを出せるようになりました。四年で小数を勉強して、細かい数字も計算できるようになりました。
一から五は引けないと思っていたのが、中学で勉強すれば計算ができるようになります。さらに高校にいけば、嘘の数というのを習います。嘘の数だから答えも嘘だろう、と思われるかも知れませんが、この嘘の数のおかげで今日ロケットが飛んでます。
このようにこれからも学び続ければ、不可能を可能にすることができるのです。
昨年、日本人四人がノーベル賞を受賞しました。
そのひとつは、宇宙では一から一を引いてもゼロにならないという考え方なのです。クォークというものがあります。クォークとは物質を形作っている小さな小さな小さな粒です。クォークという粒が六種類あれば宇宙の成り立ちが説明ができるという予想をたてたところ、二十年後に実験で本当に六種類のクォークが確認されたのです。これも、学ぶことが不可能を可能にした例だと思います。
皆さんが、この六年間でがんばってきたように、これから中学校へ行ってもまた大人になってもしっかりと学び続けてほしいと思います。
二つ目は、希望を持つことは大切、というお話です。
これからの生活で、様々な壁にぶつかることがあると思います。そして、そこから逃げ出したくなることもあるでしょう。でも希望を持っていれば、がんばって自分の道を進むことができます。
ヘレンケラーという人を知っていますか。ヘレンケラーは幼いときに熱病にかかり、聞くことや見ることができなくなりました。しかし、そういう障がいを抱えながら、教育や福祉に大きな業績を残しました。そのヘレンケラーが次のような言葉を残しています。
「希望は人を成功に導く信仰である。」と。
希望は生きていく上での力となります。そして、希望をもって進んでいけばいつしかその成功をも手に入れることができましょうし、思いがけない収穫だって手に入るでしょう。
皆さんも、いつも希望を持って進んでほしいと思います。
今日は「学び続けることは大切」と「希望を持つことは大切」という二つの話をしました。
これからの皆さんの活躍に期待しています。
最後に私の大好きな歌の一部を紹介して、今日の式辞を終えたいと思います。歌の題は、「いつも心に太陽を」という歌です。一九六七年にイギリスでヒットチャート1位になった歌で、私が青春時代によくくちずさんだ歌です。
教科書を閉じるときが来てしまった そして見慣れた顔も見られなくなる
卒業したら
悪から善を
強さから弱さを教えてくれたあなたとも
離れてしまうのはわかってる
学ぶことはたくさんあった
そのお礼として 私はあなたに何ができるだろう?
たとえあなたが月をほしがったとしても 私はとりにいきたいとさえ思うくらいだ
でも あなたにはむしろ私の感謝の真心をこそ捧げたいと思う
愛をこめて 先生へ