私が選んだ
20世紀のロック名曲ベスト5
・私が今まで聞いてきたロック音楽の中から、ベスト5を選ぼうと思う。基準は、ロックの典型を表現できていること、時代の意表をついていること、構成がみごとであること、である。
第一位
ボヘミアンラプソディー (クイーン)
これは何がすばらしいかというと、エイトビートでなくても、うるさくなくても、早くなくても十分ロックが成立することをしらしめた点にある。そして、ヨーロッパの伝統に根ざしたテーマを、クラシカルな演出で表現したところが偉大である。なんと言ってもボーカルがすばらしい。私は、それまでクィーンというと不良っぽいグループかなと思っていたが、これを聞いてこんなにまじめなのかと驚いた記憶がある。そして、ほとんど繰り返しのない展開。独創的。こんな音楽はそれまでなかったし、その後もない。でも、間違いなくこれはロックなのである。ロックが神に近づいた唯一の曲である。
第二位
青い影 (プロコルハルム)
これは気持ちのよい音楽である。クラシックでいうところの対位法を取り入れており、重厚なオルガンとボーカルが別々のメロディーを奏でている。この曲のオルガン奏者は気持ちいいだろうな。気持ちいいのはドラムもだ。ミディアムテンポの横揺れのリズム。ベースも自然な音階を奏でるだけだからこれも気持ちがいい。出だしの1秒で雰囲気を作ってしまう曲である。昔、クニ河内が、この曲とそっくりの曲を作ったが、そのひらめきと深さに天と地ほどの差がある。プロコルハルムのヒット曲はこれだけであるが、歴史に残る名曲といえる。
第三位
ハイウェイスター (ディープパープル)
ロックのもっとも基本的なスタイルは、エイトビートとアップテンボの早さである。このパターンでは多くのグループが多くの曲を提供している。したがって、非常に競争率が高いわけであるが、その中で独創的で、そのパワー、テクニックで他を圧倒しているのがこの曲である。ディープパープルは、キーボードのジョンロードとギターのリッチーブラックモアのバトルが聞かせどころとなっているが、この曲ではそれをふんだんに味わうことができる。だいたい、キーボードがこんなに長くアドリブを入れるのは他のグループではないことだ。とにかく息もつかせぬ展開で、ロックの表の顔をたんのうすることができる。
第四位
天国への階段 (レッドツェッペリン)
ツェッペリンといえば、イギリスの大バンドである。ここは、ギターとボーカルがまるでどちらが伴奏かわからないほどに仲良く掛け合う。時には、人を食ったような゜ギター、女性の声と聞き間違うようなボーカル。そしてその表現力の広さ。間違いなく超一流のグループである。この曲は7分の曲で、ボーカルのロバートプラントが誠実に歌う。歌唱力は抜群でだんだん盛り上げていくさまがすばらしい。最後のなくようなギターのソロ、一度聞き始めたら体を動かせなくなるそんな緊張感を伴った曲である。それにしても、ドラムのジョンボーナムはどうして死んじゃったの。
第五位
イエスタデイ (ビートルズ)
次は、言わずと知れた大グループ、ビートルズ。この曲が出るまで、このバンドは実にやかましく演奏していた。学校でも、ビートルズは不良の聞くものだというような指導があったと聞く。そのさなかにあって、この曲がでてきたわけだ。その衝撃を想像したいただきたい。なんだ子の曲は、バックが弦楽器4重奏ではないか。もうぶっ飛びすぎてなにがおこったのかわからなかった。そして、詩も曲もすばらしいときている。意表を突いた点で言えば、間違いなく20世紀最大の曲といえる。
というわけで、次は
アメリカのロックグループベスト5
第一位
ジミーヘンドリックス
やはりこれである。ロックギターのひとつの型を作り上げた先駆者であり、ストラトキャスターをあの大きな手で弾くのである。テクニック、曲作り、どれをとってもこれぞロック、である。
第二位
バンへイレン
ギター小僧がそのまま大きくなったような、バンへイレン。とにかくギター弾きまくりですさまじいまでのはや弾きテクニックを披露する。特にライトハンド奏法を確立した功績は大きい。
第三位
オールマンブラザーズバンド
デュアンオールマンのボトルネック奏法は特筆ものであり、彼の右に出るものはいない。ボトルネックで弾くわけであるが、弾く以外の弦は右手でミュートして弾くため、音がにごらないのである。ステイツボロブルースが、代表曲でこれはボトルネックの教科書といわれている。それにしても、23で死んだのは残念の一言につきる。
第四位
グランドファンクレイルロード
1970年前後に活躍したグループであるが、非常に豪快なロックを演奏する。三人のグループであるがギターに優秀な人材を得ているため、遜色なく聞ける。ヘヴイロックから出発したが、アメリカンパンドのヒットを飛ばすころは、ややイージーロック路線に変更したのが私としては残念である。
第四位
マウンテン
フェリックスパパラルディ率いる、このグループは短期間の活動であったが、今聞いても全く古さを感じない演奏である。相当時代を先取りした演奏であった。しかし、今彼らのCDが少ないのが残念である