箱根、河口湖、渥美の旅
2003年8月18日、箱根、河口湖、渥美の旅に出発した。午前6時半出発。ひたすら、名神高速を東に車で走る。いつもは、小牧で降りているが、そのまま突っ走る。もう完璧に旅気分。SAでは、なぜかXJR400と頻繁に会う。豊川まで家から4時間。豊川から御殿場まで2時間である。地図で見ると豊川は中点くらいに思ったが、意外と遠い。
箱根入り・・・すごい濃霧
御殿場でおりて、138号線を箱根に向かう。ところが、関西では見たこともないような濃霧。3台先の車がほとんど見えない。おまけに、道はワインディング。
事前にメル友のきくさんから霧については情報を得ていたので、あわてなかったが、知らなかったらパニクっていたと思う。乙女峠をこしたら、霧が晴れた。とりあえずやれやれである。
彫刻の森
ここは、メル友のいりさんから教えていただいた。さっそく行った。アイデアがおもしろいと思った。こういう公園の作り方もあるんだなあと。ところが、霧が立ちこめていて、3メートル先の作品がカメラでとれない。間に霧がたなびいていてかすんでいる。レンズに霧の分子がついて、うまく撮れていなかった。ひとつひとつの彫刻はアイデア豊富でおもしろかった。
箱根美術館
ここは、焼き物の美術館である。かねてから、信楽焼きのいい作品を見たいと思っていたので勉強になった。作品は、壷などは肩の線の柔らかさ、上薬のたれ具合、表面の枯れ具合あたりがポイントと見た。景徳鎮の焼き物は模様を丁寧に見たら、いいものはなるほどと思う。
星の王子様ミュージアム
ここへ入ったときは暑かった。湿度100パーセント。おまけに、関西で思うほどクーラーがどこも入っていない。暑くて死にそうだったのもあるが、もっとも大きな失敗は、私が「星の王子様」の本を読んでいなかったことだ。作者の生い立ちが様々な写真で紹介されていた。博物館としては大変よい。今度は本を読んでから行ってみたい。
金時山荘
なかなかいい民宿であった。きくさんが来るというので、そわそわしながら食事を終えた。きくさんは、7時過ぎに来られた。きくさんの第一印象は若くてかっこいい、髪の毛がたくさんある、ということだった。
まさか、こんなことが実現するなんて考えもしないで生きてきたから、大変不思議で感動した。こんな霧の中を、私に会いにきて下さったことが面はゆいような照れくさいような気持ちだった。
教育、バイク、箱根の感想、事業のことなどを話し、あっという間に9時になった。8時半頃いりさんが電話してくれ、初めて声を聞かせて頂いた。ここで、いりさんときくさんが、電話でご対面ということになった。楽しいひとときでした。ありがとうございました。
2日目
富士サファリパーク
こんな近くに虎が・・・
私は、こういうところは初めてである。中をバスで巡回することもできたが、約2時間待ちと言われ、車で回ることにした。ライオンは、群れで行動しており、周遊バスが来ると一斉にバスの金網に前足をかけ、えさをねだる。ちょっとはしたないよ。百獣の王ともあろう者が、えさなんかねだるんじゃない。
ところが、虎はえらい。まず、群れない。一匹で寝そべっている。おまけに、バスが来ても近寄りもしない。妙な感動を覚えた。多くの動物を間近に見られて、よかった。子鹿と道路を併走したり、クロサイにびびりながら車を走らせたり、楽しいところであった。
山中湖文学記念館
森の中のおちついたたたずまい。
ここには、三島由紀夫記念館と、徳富蘇峰記念館がある。緑の多いところで落ち着いたたたずまいであった。中も、ファンにとってはおもしろい内容である。ここでも、私は失敗した。三島は読んだことがない。知っているのは、市ヶ谷で割腹したことくらいである。ただ、原稿用紙の字が、私の父の筆跡とよく似ていたことには感心した。ひょっとしたら、父はまねたのかと思った。今度は、作品を読んでからまた行ってみたい。
山中湖高村美術館
ロールスロイス。どろよけの裏を見てほしい。神々しくさえある。
キャデラック。大きく豪華。
ここは、今度の旅のハイライト。大変すばらしい。皆さん、ぜひ行って下さい。往復いくらかけても、納得できる。1910年から1950年代までの、外車がずらり。約50台はあろうか。フォードは当然、ロールスロイスは大きくて、塗装も重厚な感じで気品が満ちている。3000ccで20馬力。優雅に走るものなのである。
ジャガー、シボレー、クライスラー、フェラーリ、そして日本のダットサン、パブリカ、キャロル。私は、車が美術品として成立するものであることを改めて認識した。もうそれだけでも、大納得なのに、次はガラス細工。それもエミールガレの作品。ガラスでガレと言えば、音楽のベートーベンと思ったらいい。すばらしかった。これで、私のハートはノックアウト。
次は、日本画。いきなり、横山大観、河合玉堂などのそうそうたる文化勲章受章者の作品が、これでもかと並ぶ。色遣いや、全体のバランスがすばらしい。またかけ軸では、作者のサインの朱印が全体の絵を引き締めるここしかないという場所に押されている。絶妙のバランスである。
ここは、一体なんなんだと、自問自答しつつ鑑賞を終えた。これほど、レベルの高い美術館は初めてである。もう感激である。人間には、時間を止める能力と時空を超えるものがあることを再発見した。
河口湖美術館
ここは富士山をテーマにした絵や写真がたくさんあった。富士山は非常に自己主張の強い形をしている。それをいかに、さりげなく絵の中に納めるかが勝負である。
横山大観は、雲海の中からさりげなく頭をのぞかせたし、葛飾北斎は、波の向こうに小さく書いた。そういうことを感じた美術館であった。
3日目 渥美半島
田原市博物館
これが博物館。
ここは、3年前も来たことがある。渥美半島はこじんまりした田舎町で好きなところである。この博物館は、幕末の政治家、渡辺崋山にまつわる、書や絵を展示している。また、田原家のまつわるさまざまなものを展示している。なんか、懐かしい感傷にひたってしまう。ここは、田原城の跡に作られた。散策をしながら博物館を楽しめる。蝉時雨が、すさまじい。私は、やはり社会科の先生だから、歴史となると前頭葉に血が急速に巡ってくる。城跡公園を散策しながら、展示が楽しめる風情である。
この日は、合併で田原市が誕生した日であったので、入場料はただであった。
田原市民族資料館
戦前のものだな。
こんなんあったなあ。
ここは、昔の生活の道具が展示してある。建物は昔の小学校を改装したものである。昔の農具や生活の道具、また富山の置き薬などもある。また、私にとって懐かしい真空管のラジオや電気蓄音機、電話もある。実は、この懐かしい道具に会いたさに、ここを訪れた。
4日目
伊良湖フラワーパーク
ここも、3年前に来た。そのときより全体的に寂れているのが気になる。花は楽しく見られる。
恋路が浜
ここの波は荒い。
3年前に泊まった民宿。
この五月堂に、3年前に泊まった。ここの若い娘さんがこの店を切り盛りしているが、泊まったときには、気さくに話してくれたし、大変親切にしていただいた。ぜひ、もう一度会いたいと考えていた。今回は、泊まらなかったけれどおみやげをここで買って、また会うことができた。向こうは、私の顔を忘れていたようである。大変感激した。これで、渥美半島に思い残すことはない。
そして、4日間の旅が終わった。4日間の少年が、明日から校長に戻る。