妖精に囲まれる日々 なぜか退屈はしない 23.12.19
退職してから仕事をしていないと退屈すると思っていた。確かに忙しいことが生き甲斐だという価値観からは、無職の生活は退屈きわまりない。
しかし、現在の私の価値観は忙しいことがいい、というものではない。ゆっくりと時間が流れて瞬間ごとにたたずんで景色を見るのがいい、という価値観なのである。
となると全く退屈しないから不思議である。
週に3回の水泳、ほぼ毎日の散歩、家内との生活、最近始めた庭いじり、超楽しみなテレビゲーム。たったこれだけの生活であるが、なぜか退屈はしない。
それは、職業を持っているときより今の方が、思考が実に多彩かつ多様に動いているからである。つまり自由に考えることができ、自由に行うことができるのである。
在職中にこういう考えをしてしまうと、我が身が実に不自由に感じられて苦しくなるので、頭の中のどこかに封印をしてきたのだと思う。
今は、自分の過去や未来、平面的な広がりを伴った思考ができるので、本当に自由である。自由というものがこんなにすばらしいものだとは知らなかった。
だから退屈はしない。
仕事で100の達成感を得たとしても、極めて閉じた世界での達成であり「永遠」は見えない。
ところが、今は一輪の花を見ても悠久の時間と自然のやさしさを感じることができる。つまりそこに「永遠」を見ることができるのである。
そう、日々立ち止まっては「永遠」を感じ、遠い時間を感じ、広い空を感じることができるのである。
いわば、毎日が甘美な詩であり、かろやかな妖精に囲まれて生きているのである。