散処理システムに於る処理パターン決定法

白井 諭  井上 健  中西 暉  真田英彦  手塚慶一

(大阪大学 工学部)


[ 昭和53年電気関係学会関西支部連合大会, p.248 (1978.10). ]
[ In Record of the 1978 Kansai-Section Joint Convention of Institute of Electrical Engineering, p.248 (October, 1978). ]



INDEX

     1. まえがき
2. モデル設定
3. 処理パターン決定法
4. Simulation結果
5. あとがき



1. まえがき

既設のデータベース,ホストコンピュータ, さらに新設される分散データベース等を通信回線で結んだ分散処理システムを想定し, 伝送コストを最小とするジョブの処理パターン決定法について考察する。




2. モデル設定

分散システム内を伝送される情報として, ジョブ・トランザクションR,アプリケーション・プログラムP,データDの三者が考えられる。 Rはユーザのジョブ依頼により生じ, 処理要求は図1のように階層的なサブジョブの連続処理とする。 処理パターンの評価基準としてRPD三者の伝送コストを採れば, 最小コスト・パターンを求める手法としてDynamic Programmingが適用できる。 尚,処理コスト,ディレクトリ問題は考えないものとする。

図1.ジョブ・パターン




3. 処理パターン決定法

一つのホストにRPD三者が同時に存在しない場合, どれを伝送するかにより,通常は次のような基本方式が考えられる。 (i) 渡り歩き方式:Pのあるホストで処理を行う。 (ii) 呼び寄せ方式:Rのあるホストで処理を行う。

さらに.処理地点とPRの存在地点以外にも選び得るように一般化した (iii) 適応方式:処理は任意の地点で行い得る。 従って,PDRの三者共伝送される場合も起こり得る。

典型的なジョブでは(1)(ii)の使い分けでも十分対処できると思われるが, 一般には(iii)に基づかねばならない。 このため(iii)の簡易手法を考案する。 (a) 1段推定法:一つ前のサブジョブを処理したホストに於て, 次のサブジョブの処理ホストを伝送コストが最小になるように選ぶ。 但し,最後のサブジョブの処理ホストは,ターミナルの位置も考慮して決定する。 (b) 2段推定法:2段先のサブジョブの処理地点まで考慮して,最小のものを次の処理地点に選ぶ。




4. Simulation結果

以下の諸量を用いた。

図2.ネットワーク

尚,結果の図で,(b)は(a)とD.P.の間に位置するので省略する。




図3

5. あとがき

4.より,処理パターンの決定は(a)或いは(b)で十分であり, 計算手続も考えると(a)が優れている。 (i)(ii)の切換でもある程度効果はあるが, P/Dの小さい時は,ターミナルがネットワークの中心から遠い程(a)との差が増大する。 一般に,分散システムでは伝送が少なくなるような配置に設計されていると思われるが, この状態が継続するとは期待できないため, ここで提案するような処理パターン決定法が必要になると考えられる。