レジンキャスト(型取り編)

 前からレジンによる複製に興味を持っていたのですが、混合比率や気泡、 経年変形とか、色々と面倒そうなので、なかなかチャレンジ出来ずにいました。 しかし今回、橋脚を複数個自作する事なり、形が単純で少々の失敗は修正できそうなので、 これを機に挑戦してみる事にしました。
 結果は思っていたより簡単でした。レジン複製の詳しい方法は解説本などに譲りますが、 今後の参考になればと思い作業の様子を紹介します。

1   今回型取り用に用意した材料と道具です。シリコンはクレオス社のMr.シリコーンを使いました。 各社から特性の異なるシリコンが出ていますが、選定理由は店にそれしかなかったからです (^^;
 計量計、PPカップ、ヘラはホームセンタで適当に見繕ったもの、後、型取り枠用にこれまたクレオス社の Mr.型取りブロックなる物を買ってみました。
2   今回挑戦するのはレジンキャストで最も基本的な片面取りです。
まずは型取りの下準備として、複製したい原型をプラバンの上に瞬着等で接着します。この時、底面に隙間が出来ない様に注意します。 (シリコンは想像以上に隙間に流れ込みます。)
 この接着面がレジン注入時には逆さまの上面となり、レジン注入口となります。
3   続いて原型を取り囲む枠を作ります。プラバン等で作る方法もありますが、 使い回しの効くクレオスの「Mr.型取りブロック」を使用しました。
 ブロックのプラバンへの固定には薄い両面テープを使いました。 ここでも隙間ができないように注意しますが、レジン注入口と異なり、多少シリコンが 染み出しても複製には影響はありません。(だだ漏れは論外ですが(^^;)
4   いよいよシリコン注入作業にかかります。
 ネット情報ではシリコンが分離している事があるとの事だったので、 シリコンの蓋を開けて良くかき混ぜます。ただ、今回は分離している様な雰囲気は 特にありませんでした。まあ、念のためということで。
5   計量計にPPカップを載せ、風袋補正してから、 へらで少しずつすくってカップにシリコンを移していきます。
 シリコン単体ではいつまでも硬化せず、付着するとふき取るのが大変なので、 なるべく周囲にこぼさない様にします。 また、同様の理由でシリコンの缶を傾けて注ぐと縁の溝にかなりシリコンが残るので、 ヘラやお玉などでカップに移す事をお勧めします。
 なお、使用量100gはブロック型の体積から計算で求めました。
6   次に瓶に入った硬化剤をスポイドでカップに注ぎます。 Mrシリコーンの場合、シリコンと硬化剤の比率は100:4だったので、 値が104gになるまで硬化剤を入れます。
 ネット情報によると、硬化剤の量はそれほど厳密ではなく、 少々多い目に入れておくと硬化が早まって良いらしい(真偽の程は?)ですが、 取りあえず私は規定通りにしておきました。
7   取説では作業可能時間は20分だったので、余裕を持ってヘラでシリコンと硬化剤を良くかき混ぜます。 その後、数分間放置すると、混ざり込んだ泡が表面に浮いてきますので、 ヘラを少し持ち上げて泡の周りのシリコンを引っ張ってやると泡が潰れます。
 ただ、シリコン注入時にも泡対策をするので、あまり完全に潰さなくても良いように感じました。
8   混合の済んだシリコンを型に流し込みます。原型表面は、多くの解説書にある様に、 ヘラや棒などにシリコンをすくってたれる細い糸状のシリコンを極少量づつ 垂らしていきます。(詳しいやり方は解説や他のネット情報を参照してください(>_<))
 糸状にする理由は気泡が入らないようにする事で、確かに泡があっても糸状にたれるときに 潰れてしまう様です。
 表面をある程度覆ってみて、気泡があれば爪楊枝などでつぶし、 なければ後はカップから直に少し多い目に流し込みます。
9   シリコン注入完了後しばらくするとシリコン表面に小さい気泡が沢山浮いてきてちょっと不安になりましたが、 原型表面はしっかりと気泡チェックしていたので、硬化後に特に問題となる様な型表面の穴などはありませんでした。
10   1日置いて完全硬化させた後、型枠を外していきます。 ブロックにはほとんど隙間は無いのですが、意外に染み込んでいる事が判っていただけると思います。
 外に漏れ出す程では無いですし型そのものには影響はありませんが、染み込む分高さが低くなるので、 シリコン注入時に原型の高さより少し余裕を持って注入しておく必要はあるかもしれません。
11   型枠を全て外して、原型をゆっくりとシリコンから引き抜くと型の完成です。
 なお、9の写真にあるブロックの隙間に染み出したシリコンは手でちぎりました。 より綺麗にしたいならニッパー(カッターではなかなか切れません)を使えば良いのですが、 複製には関係ないのでこれで十分だと思います。