塗装ブースの製作

 管理人は模型の塗装には、手軽さから主に缶スプレーを愛用しています。ところが戸外で作業となると、風向きが急変して顔にかかったり、 強風や雨で作業できない事もあったりして、以前から塗装ブースが欲しいと考えていました。
 メーカ製ブースの購入も考えたのですが、引っかかっていたのが、缶スプレーでも使えるのか?ということでした。 エアブラシと缶スプレーでは吹き出し量が桁違いですからね。という訳で塗装ブースの自作を試みてみました。


1   写真はタミヤ製の塗装ブースで格好良いです。傍らに缶スプレーも写っていますが、 車の大きさから考えてもこのブースで缶スプレーの塗装は無理っぽい気がします。 まあ、ごく小さなパーツを吸い込み口付近で吹くぐらいならできそうですが・・・
2   あちこちのサイトや本を参考に初めに検討したのがプラン1です。換気扇をクリアボックスに取り付けただけの簡単設計です。
 ところが、この方式の場合、換気扇直近では跳ね返りの風が発生する(らしい?)ので塗料の一部が戻って来てしまう不安がありました。
3   そこで再考したのがプラン2で、窓辺に換気扇を置き、ダクトで吸い出します。 ただし、ダクトが脱着できないと収納し難いので、接続方法が課題です。
 とりあえずホームセンターに材料を見に行ってみました。ダクト固定用のベントキャップとかいうのを加工すれば使えそうだったのですが、金属製で一個2000円弱・・・。 15cm径アルミダクトも2000円もします(長さは4mなのですが、こんなにいりません)。 全部で1万円近くいきそうです。ちょっと試してみるという感じでは無いですね。
4   諦めムードで帰宅したのですが、「アルミダクトを前提とするから接続部が難しくなってしまう。いっそ段ボールでダクトを作れば!」という 考えが頭に浮かび、段ボールなら失敗しても懐が痛まないので、とりあえず製作してみる事にしました。
 再度ホームセンターに赴き、15cmの換気扇と木材を購入して換気扇を自立できるように加工しました。
5   続いて換気扇の前枠より少し大きな側面を持つ横長の段ボールを見つけてきて、 前枠を型どりして側面を切り抜きました。この段ボールがダクトになります。
6   塗装ブースも段ボール箱にしました(在る程度汚れたら捨ててしまえるので)。これの側面に吸い出し用の穴を開けるのですが、 あまり大きすぎると強度に不安があり、小さすぎると排気抵抗になるので、だいたいこの様な穴になりました。 そして、穴の外側に写真のような枠を付けました。接続時にこの枠をダクト段ボールに突き刺すようにします。
7   ダクト用の段ボール箱の側面にブース穴と同じ大きさの穴を開けて完成です! 3つを接続するとこのようになります。
8   反対側から見るとこんな感じです。簡単な構造の割に意外としっかりとしています。
9   この塗装ブースを私は納屋で使用します。まず、細長い台(今は段ボールですが、いずれ専用の机を用意しようと思っています(笑)) の上にセットして、換気扇部分を写真のように扉の外側に突き出します。
10   外側はこんな感じです。風で排気が戻ってこないように扉の上の隙間には段ボールをあてがっています。
11   しばらく使用しての感想ですが、非常に快適です!缶スプレーでも全くブース外に漏れる事はありません。 初め20cmの換気扇を考えていたのですが、15cmでも十分です。 吹いた塗料が拡散せずに真っ直ぐ対象物に流れて行くので塗料の無駄も少なくなりました。
 また、室内なので夜間でも塗装が行える様になった事も嬉しいです。
12   塗装後、塗料粉が換気扇の羽根や外蓋に埃の様に付着しているので、ティッシュで拭いてやると取れます。 その後は、写真の様に塗装ブースの箱に入れてしまっておきます。
 この塗装ブースに掛かった費用は換気扇2280円と枠材541円の計2821円でした。 お手軽工作にしてはなかなか満足度の高い結果となりました。
<注意!!>
 この塗装ブースでスプレーの塗料粉はほぼ100%排出されていますが、 気化した溶剤成分は在る程度ブース外に漏れている様です。 このお粗末工作を真似される方はおられないと思いますが、 万が一参考にされる場合は長時間の使用は避け、十分な換気を行ってください。
 参考にされて事故等が発生しても当方は責任を負いませんのでよろしくお願いいたします。