設立趣旨



設 立 趣 旨 書

1 趣  旨

 社会保障制度というのは、社会的援護を必要とする人に必要な支援を与えて、その人たちの自立を助けていく制度でありますが、それらを十分利用できない人達が増えています。虐待問題など人間像そのものが歪んできています。これらの社会的排除につながることがどうしておこるのかを考えるとき、個人、家族、社会の変容があげられます。従来から、自助・共助により個別の問題を受け止め、解決してきた家族や地域のつながりが希薄化しています。社会の扶助機能も脆弱化しています。一方、人間主体の側からみると、従来の価値観や生活習慣が崩れたことにより、個人が家族や近隣との接触、交流なしに生活できる社会になってきたために、孤立、孤独や社会的排除に伴う課題に直面した場合に問題解決が困難になっていると思います。

高齢者ができるだけ地域で暮らしていくために介護保険制度も福祉サービスとして導入されました。しかし地域で暮らしたいと願っている高齢者の気持ちに本当にきちんと寄り添う形でのサービスの提供が出来ているのか問われます。又、介護保険の外側にあるニーズとどう関わるかということも課題と思われます。障害者の生活についても、「脱施設」が叫ばれ、施設パラダイム論から地域福祉論、措置制度から支援費制度に変わり、ノーマライゼーションの具体的展開も、財政状況のなかで、重度の障害者も当たり前に暮らせる地域が出来ていないのが現状です。

 地域福祉の進展が期待され、地域社会に根ざした福祉システムの構築が迫られています。利用者の視点に基づいたシステムの模索が各地域で成されています。認知症、知的障害、精神障害をもって住み慣れた地域で、隔離ではなく、住み続けられることが重要だと思います。「支えあいの共生社会」を住民が主体的に創出し、行政との協働で構築する必要を痛切に感じました。そのためにも権利擁護システムの整備充実、市民の意識高揚の必要があります。地域社会における障害者、高齢者のニーズの喚起と共にサービスを生み出す努力も必要です。地域のなかに老いて生活する人々のニーズを発掘し、そのニーズに対応していくために特定非営利活動促進法の理念のもとでソーシャル・インクルージョンの実現に向けて歩みを進めたいと思っています。

2 経  過

平成17年1月 支えあって住み続けられるまちを目指して「しいばちゃんの家」を設立、街角の居場所として、障害者、高齢者の集い憩える場としてきた。社会福祉協議会のサロン活動として、地域の中での関係性を作る初期の目標の手応えを感じてきた中で、寄り添えるニーズに応えられる組織の必要性を痛感した。サロン活動の中で、京都府の心の推進委員も経験し、地域の中でどのように共生システムを作り出せるかを考えてきた。

平成21年1月 高齢者及び家族、知的障害者及び家族の不安を目の前にし、今一度、同じまちに生きる住民として支えの共生を作り上げていきたい。ホランティア・グループから特定非営利活動法人として、より社会的責任のもとに、理念に沿った実践を始めるべく、準備会を発足して、設立総会の準備に入る。

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