(平成7年12月1日7資公部第418号)
改正 平成9年9月25日9資公部第334号
同10年11月30日10資公部第354号
同11年9月1日11資公部第278号

主任技術者制度の運用について


上記の件について、電気事業法第43条第2項の許可、電気事業法施行規則第52条第2項の承認及び電気事業法施行規則第52条第3項ただし書の承認について、次のとおり運用方針を定め、平成12年4月1日より運用することとするので、その処理については遺憾のないようお願いする。

I 電気事業法第43条第2項の許可は、次の基準により行うものとする。

1 電気主任技術者に係する電気事業法第43条第2項の許可は、その申請が次の要件に適合し、かつ、電気工作物の工事、維持及び運用の保安上支障がないと認められる場合に限り、行うものとする。

(1) 申請に係る事業場又は設備が次のいずれかに該当すること。

イ 次に掲げる設備又は事業場のみを直接統括する事業場

(イ) 出力500キロワット未満の発電所((ホ)に掲げるものを除く。)
(ロ) 電圧10,000ボルト未満の変電所
(ハ) 最大電力500キロワット未満の需要設備((ホ)に掲げるものを除く。)
(ニ) 電圧10,000ボルト未満の送電線路又は配電線路を管理する事業場
(ホ) 非航船用電気設備(非航船に設置される電気工作物の総合体をいう。以下同じ。)であって出力1,000キロワット未満の発電所又は最大電力1,000キロワット未満の需要設備

口 次に掲げる設備又は事業場の設置の工事のための事業場

(イ) 出力500キロワット未満の発電所((ホ)に掲げるものを除く。)
(ロ) 電圧10,000ボルト未満の変電所
(ハ) 最大電力500キロワット未満の需要設備((ホ)に掲げるものを除く。)
(ニ) 電圧10,000ポルト未満の送電線路又は配電線路を管理する事業場
(ホ) 非航船用電気設備(非航船に設置される電気工作物の総合体をいう。以下同じ。)であって出力1,000キロワット未満の発電所又は最大電力1,000キロワット未満の需要設備

(2) 申請に係る者が次のいずれかに該当すること。

イ 学校教育法(昭和22年法律第26号)による高等学校又はこれと同等以上の教育施設において、電気事業法の規定に基づく主任技術者の資格等に関する省令(昭和40年通商産業省肴第52号)第7条第1項各号の科目を修めて卒業した者
口 電気工事士法(昭和35年法律第139号)第4条の規定による第一種電気工事士免状の交付を受けた者(ハに掲げる者であって、同法第4条第3項第一号に該当する者として免状の交付を受けた者を除く。)
ハ 電気工事士法第6条の規定による第一種電気工事士試験に合格した者
二 旧電気工事技術者検定規則(昭和34年通商産業省告示第329号)による高圧電気工事技術者の検定に合格した者
ホ 公益事業局長又は通商産業局長の指定を受けた高圧試験に合格した者
へ その申請が最大電力100キロワット未満(非航船用電気設備にあっては最大電力300キ日ワット未満)の需要談傭又は電圧600ボルト以下の配電線路を管理する事業場のみを直接統括する事業場に係る場合は、イからホまでに掲げる者のほか、次のいずれかに該当する者

(イ)電気工事士法第4条の規定による第二種電気工事士免状の交付を受けた者
(口)学校教育法による短期大学者しくは高等専門学校又はこれらと同等以上の教育施設の電気工学科以外の工学に関する学科において一般電気工学(実験を含む。)に関する科目を修めて卒業した者

ト イからホまでに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有する者又はへに規定する場合にあっては、へ(イ)又は(口)に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有する者

2 ダム水路主任技術者に係る電気事業法第43条第2項の許可は、その申請が次の要件に適合し、かつ、電気工作物の工事、維持及び運用の保安上支障がない場合に限り、行うものとする。

(1) 申請に係る事業場が次のいずれかに該当すること。

イ 直接統括する水力発電所が出力500キロワット未満のものである事業場
口 出力500キロワット未満の水力発電所の設置の工事のための事業場

(2) 申請に係る者が次のいずれかに該当すること。

イ 学校教育法による高等学校又はこれらと同等以上の教育施設において土木工学に関する学科を修めて卒業した者
ロ イに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認められる者
ハ 出力100キロワット未満の水力発電所に係る場合は、イ又は口に掲げる者のほか、土木技術に関し相当の知識及び技能を有すると認められる者

3 ボイラー・タービン主任技術者に係る電気事業法第43条第2項の許可は、その申請が次の要件に適合し、かつ、電気工作物の工事、維持及び運用の保安上支障がない場合に限り、行うものとする。

(1) 申請に係る事業場又は設備が、火力発電所(内燃力を原動力とするものを除く。以下本項において同じ。)、火力発電所の設置のための事業場若しくは火力発電所を直接統括する事業場又は燃料電池発電所若しくは燃料電池発電所の設置の工事のための事業場であること。
(2) 申請に係る者が、次のいずれかに該当すること。

イ 火力発電所若しくは燃料電池発電所であって、出力5,000キロワット未満かつ圧力1,470キロパスカル未満のもの、当該発電所の設置の工事のための事業場又は火力発電所を直接統括する事業場であってその直接統括する発電所の出力の合計が5,000キロワット未満のものに係る場合は、次のいずれかに該当する者((ヘ)に掲げる者にあっては、ガスタービンを原動力とする火力発電所に係る場合に限る。)

(イ) 学校教育法による高等学校若しくはこれらと同等以上の教育施設において機械工学に関する学科を修めて卒業した者
(口) ボイラー及び圧力容器安全規則(昭和47年労働省令第33号)第97条第一号の特級ボイラー技師免許又は同条第二号の一級ボイラー技師免許を受けている者
(ハ) 船舶職員法(昭和26年法律第149号)第4条第1項の一級海技士(機関)としての海技従事者免許又は二級海技士(機関)としての海技従事者免許を受けている者
(二) エネルギー使用の合理化に関する法律(昭和54年法律第49号)第8条のエネルギー管理士免状(熟管理士免状に限る。)の交付を受けている者
(ホ) 技術士法(昭和58年法律第25号)第2条第1項の技術士(機械部門に限る。)の二次試験に合格した者
(ヘ) 社団法人日本内燃力発電設備協会の第一種自家用発電設備専門技術者資格証の交付を受けている者
(ト) 機械技術に関し、(イ)から(ヘ)までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認められる者

口 火力発電所若しくは燃料電池発電所であって、圧力2,940キロパスカル未満のもの(イに規定するものを除く。)、当該発電所の設置の工事のための事業場又は火力発電所を直接統括する事業場(イに規定するものを除く。)に係る場合は、次のいずれかに該当する者

(イ) 学校教育法による短期大学若しくは高等専門学校又はこれらと同等以上の教育施設において機械工学に関する学科を修めて卒業した者
(口) イに掲げる者であって、圧力1,470キロパスカル以上の火力発電所又は燃料電池発電所の工事、維持又は運用に関する実務に3年以上従事した者

ハ 火力発電所若しくは燃料電池発電所であって、圧力2,940キロパスカル以上5,880キロパスカル未満のもの又は当該発電所の設置の工事のための事業場に係る場合は、次のいずれかに該当する者

(イ) 学校教育法による大学(短期大学を除く。)又はこれと同等以上の教育施設において機械工学に関する学科を修めて卒業した者
(口) 口に掲げる者であって圧力2,450キロパスカル以上の火力発電所又は燃料電池発電所の工事、維持又は運用に関する実務に2年以上従事した者

二 火力発電所若しくは燃料電池発電所であって、圧力5,880キロパスカル以上のもの又は当該発電所の設置の工事のための事業場に係る場合は、ハに掲げる者であって、圧力2,450キロパスカル以上の火力発電所又は燃料電池発電所の工事、維持又は運用に関する実務に3年以上従事した者

II 電気事業法施行規則第52条第2頂の承認は、次の基準により行うものとする。

1 当該事業場について、その設置者が昭和63年通商産業省告示第191号(以下「告示」という。)第1条の要件を具備する者(以下「電気管理技術者」という。)又は同告示第2条に掲げる者(以下「指定法人」という。)(以下「委託契約の相手方」という。)との間に締結している委託契約の内容が、次のいずれにも該当するものであること。

(1) 委託契約の相手方が行う点検(指定法人との委託契約にあっては、指定法人の従業員であって、第一種電気主任技術者免状、第二種電気主任技術者免状又は第三種電気主任技術者免状の交付を受けている者(以下「有資格従業者」という。)が行うものに限る。)を次のとおり受けるよう定めていること。

イ 発電所(小出力発電設備を除く。以下同じ。)のうち口からホに掲げるもの以外にあっては毎月2回以上。ただし、設置、改造等の工事期間中にあっては毎週1回以上
ロ 内燃力を原動力とする火力発電所にあっては毎月2回以上ハ 燃料電池発電所にあっては毎月1回以上。ただし、設置、改造等の工事期間中にあっては毎週1回以上
ハ 燃料電池発電所にあっては毎月1回以上。ただし、設置、改造等の工事期間中にあっては毎週1回以上
二 太陽電池発電所であって、出力100キロワット以上のものにあっては隔月1回以上、出力100キロワット未満のものにあっては毎年2回以上
ホ 風力発電所にあっては毎月1回以上
へ 設備容量が64キロボルトアンペア未満の需要設備(非常用予備発電装置を設置するものを除く、以下「小規模高圧需要設備」という。)にあっては、毎年4回(電気事業法施行規則第96条第一号ロに規定する承認法人が保守管理業務を受託している小規模高圧需要設備にあっては毎年2回以上
ト 次の(イ)から(ホ)までの設備条件すべてに滴合する信頼性の高い需要設備であって設備容量がlOOキロボルトアンペア以下のもの又は低圧受電の需要設備にあっては、隔月1回以上

(イ) 構外にわたる高圧電線路がないもの
(ロ) 柱上に設置した高圧変圧器がないもの
(ハ) 高圧負荷開閉器(キュービクル内に設置するものを除く。)に可燃性絶縁油を使用していないもの
(ニ) 保安上の責任分界点又はこれに近い箇所に地絡保護継電器付高圧交流負荷開閉器又は地絡遮断器が設置されているもの
(ホ) 責任分界点から主遮断装置の間に電力需給用計器用変成器、地絡保護継電器用変成器、受電電圧確認用変成器、主遮断器用開閉状態表示変成器及び主遮断器操作用変成器以外の変成器がないもの

チ トの(イ)から(ホ)での設備条件のすべてに適合する信頼性の高い設備であって、低圧電路の絶縁状態の的確な監視が可能な装置を有する需要設備又は非常用照明設備、消防設備、昇降機その他の非常時に使用する設備への電路以外の低圧電路に漏電遮断器が設置してある需要設備にあっては、隔月1回以上
リ トに適合する需要設備であって、次の(イ)から(ハ)までのすべての設備条件に適合するものにあっては、3ヶ月に1回以上

(イ) 受電設備がキュービクル式であるもの(屋内に設置するものに限る。)
(ロ) 蓄電池設備又は非常用予備発電装置がないもの
(ハ) 引込施設に地絡保護継電器付高圧交流負荷開閉器又は地絡遮断器が設置してあるもの

ヌ ヘからリまでに該当する需要設備以外の需要設備にあっては、毎月1回以上
ル 設置、改造等の工事期間中需要設備にあってはへからヌまでの規定にかかわらず、毎週1回以上
ヲ 配電線路を管理する事業場にあっては毎年2回以上

(2)災害、事故その他非常の場合における委託契約の相手方との連絡その他電気工作物の工事、維持及び運用の保安に関し、設置者及び委託契約の相手方のの相互の義務及び責任その他必要事項が適切かつ明確に定められていること。
(3)当該事業場について、電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安のため必要な事項を委託契約の相手方に連絡する責任者(設備容量が6,OOOキロボルトアンペア以下の需要設備にあってはT1(2)イからホに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有する者)を選任すべきことを定めていること。

2 申請に係る事業場が指定法人と契約を締結している場合にあっては、当該事業場が当該指定法人の有資格従業者が常時勤務している事業所等から2時間以内に到達し得る所にあること。なお、その申請が次のいずれかに該当するときは、保安の確保上支障となる場合が多いと考えられるので、特に慎重を期せられたい。

(1) 電気事業法施行規則第48条第1項各号に定める場所に設置する電気工作物に係る場合。
(2) 委託契約の相手方が電気管理技術者である場合であって、その者が他に職業を有するとき。
(3) 委託契約の相手方が他の事業場の保安に関する業務を受託する旨の契約を既に結んでいる場合であって、当該他の事業場に係るそれぞれの発電所、需要設備又は配電線路を管理する事業場に応じて次の表に掲げる換算係数を乗じて得た値の和(指定法人にあっては、有資格従業者一人当たりの値)が三三以上となるとき。(小規模高圧需要設備については10件までを当該値から除く。)

規模 換算係数
発電所 出力100kW未満 0.3
出力100kW以上300kW未満 0.4
出力300kW以上600kW未満 0.6
出力600kW以上1000kW未満 0.8
需要設備 低圧  

0.8

高圧 設備容量が64kVA未満
(小規模需要設備にあっては)
0.4
(0.2)
設備容量が64kVA以上150kVA未満 0.6
設備容量が150kVA以上250kVA未満 0.8
設備容量が350kVA以上550kVA未満 1.0
設備容量が550kVA以上750kVA未満 1.2
設備容量が750kVA以上1,000kVA未満 1.4
設備容量が1,000kVA以上1,300kVA未満 1.6
設備容量が1,300kVA以上1,650kVA未満 1.8
設備容量が1,650kVA以上2,000kVA未満 2.0
設備容量が2,000kVA以上2,700kVA未満 2.2
設備容量が2,700kVA以上4,000kVA未満 2.4
設備容量が4,000kVA以上6,000kVA未満 2.6
設備容量が6,000kVA以上8,800kVA未満 2.8
設備容量が8,800kVA以上 3.0
配電線路を管理する事業場

0.1

注1 隔月1回以上及び3ヶ月に1回以上を適用する場合(小規模高圧需要設備を除く。)は上記換算係数にそれぞれ0.6及び0.45を乗じた数字とする。

III 電気事業法施行規則第52条第3項ただし書の承認は、次の基準により行うものとする。

1 電気主任技術者に係る電気事業法施行規則第52条第3項ただし書の承認は、その申請が次の要件に適合する場合に行うものとする。

(1) 申請に係る者が、第一種電気主任技術者免状、第二種電気主任技術者免状又は第三種電気主任技術者免状の交付を受けていること。
(2) 申請に係る者の執務の状況が次に適合すること。

イ 申請に係る電気工作物は、選任しようとする者が、常時勤務する事業場又はその者の住所から2時間以内に到達できるところにあること。
ロ 点検はUの1の(1)に準じて行うこと。この場合に置いて「委託契約の相手方」とあるのは「兼任を承認された主任技術者」と読み替えるものとする。

(3) 主任技術者が常時勤務しない事業場の場合は、電気工作物の工事、維持及び運用のため必要な事項を主任技術者に連絡する責任者が選任されていること。なお、兼任させようとする事業場若しくは設備の最大電力が2,000キロワット以上となる場合又は兼任させようとする事業場者しくは設備が6以上となる場合は、保安業務の遂行上支障となる場合が多いと考えられるので、特に慎重を期せられたい。

2 ダム水路主任技術者に係る電気事業法施行規則第52条第3項ただし書の承認は、次の要件に適合する場合に行うものとする。

(1) 申請に係る者が、第一種ダム水路主任技術者免状又は第二種ダム水路主任技術者免状の交付を受けていること
(2) 申請に係る者が兼任する水力発電所が、既に選任されているものと同一水系又は近傍水系にあること。

3 ボイラー・タービン主任技術者に係る電気事業法施行規則第52条第3項ただし書の承認は、次の要件に適合する場合に行うものとする

(1) 申請に係る者が、第一種ボイラー・タービン主任技術者免状又は第二種ボイラー・タービン主任技術者免状の交付を受けていること。
(2) 申請に係る者が兼任する事業場が、既に選任されているものと同一の又は隣接する構内にあること。

 

 

 

 

 

 

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