釣れ釣れ草  第13話: 紀州釣りとウキ

  

 

 紀州釣りをはじめて1年がたった

 釣り上げたチヌはカイズを含めて50匹に満たないが

 この1年を振り返って気の向くままに記してみよう

 

 紀州釣りのとっかかりは入門書からである

 入門書での推奨は棒ウキであった

 棒ウキはダンゴが割れたとき

 スッーと浮き上がり割れた瞬間が良く判る、

 しかも感度が良い

 「これは大変イイ」と思い、棒ウキを採用した

 

 棒ウキは、風が弱く・波が無く・潮が遅く・

      投点が近く・あまり深くなく・の5点拍子が

 そろうなら(結構、ややこしい)大変具合の良いウキである

 上記の条件がそろう波止内向きの釣り座では

 随分お世話になっている

 

 しかし色々な釣り場に出掛けて棒ウキは万能では無いことを実感する

 欠点は、まずは遠投時は向かないという点であろうか

 最近、老眼遠視気味(笑)の私でも

 遠投時は、細いから見にくい

 特に追い風の時に困る。

 追い風に乗りダンゴが何時もより遠くに飛ぶ

 気持ちの良いものだが、細いから遠くなると見にくい、

 おまけに追い風でウキ先が沖側に倒れ、水面との角度が小さくなり

 余計に見にくくなる・・お手上げの時もある

 

 2つ目は自立タイプの棒ウキは浮力が少ないという点であろうか

 浮力が少ないということは、一面、感度が良いということではあるが

 潮が早い場合、浮力が低いことで困ったことが起きてくる

 ダンゴが沈むのにつられて棒ウキが沈む、しかし潮が早いため

 流され斜めになって沈む、問題はこの後である。

 ダンゴが割れても、水流による抵抗で

 浮力の少ない棒ウキは浮いてこないのである

 ウキが浮いてこなければタナが取れない!

 ダンゴの割れタイミングが判ら釣りにならない、お手上げ状態となる

  (余談であるが、昨年はウキが浮いてこないので、何でだろうと困惑し随分、釣り地合を逃したと思う)

 

 さて、そこで、紀州釣り発祥の地、和歌山でのハウツー

 軽く浮力の高い寝ウキの登場となる

 

 さてその特長は

   ・軽い… じゅっくり考えてみると、シカケは軽いほど投げた時、抵抗が無く

        よく飛ぶのだ、遠投したいのならウキは軽いほうが良いのだ

   ・高浮力… 上でも書いたが、浮力が低いと道糸などの抵抗で

           ウキが浮かない場合が多い…これを解決する知恵だ

   ・寝る… これも遠投への対策だ、少しでも見易く、アタリをとりやすくする

 

 理にかなっているな〜

 先人の知恵・工夫にあらためて感嘆する

                          第13話   紀州釣りとウキ  おしまい