釣れ釣れ草 第12話: ハネ
春は大阪湾のハネ釣りシーズンである
ハネとは「スズキ」の小型の呼び名である
私の感覚では大阪地方では
40cm位までをセイゴ、 40〜60cm位をハネ、60cm以上をスズキと呼ぶと思う
その中で比較的釣り易く、引きも楽しめる喰って良しの「ハネ」の人気が高い
ハネは色々な釣り方があると思うが、私が好むのはエビ撒き釣りである
エビ撒き釣りは大阪での地方色豊かな釣り方であるらしい
めぼしい釣りエサ屋には生け簀があって、その中で小型のエビが飼われている
「シラサエビ」と呼んでいる。
シラサエビは淡水産の2〜4cm程度の透き通ったきれいなエビである。
これを升売りしている。
早朝、釣りエサ屋で眠い目をこすりながら「シラサ3杯」、店員は「あいよ!」等の掛け声で
手際良く網でシラサエビを注文分、升で量り釣人が用意している
エビ箱に入れてエアポンプのスイッチをオンにしてくれる
升1杯で500円、およそ70〜100匹位入っていると思う(エビ箱の中にウジャウジャで数えられない)
70匹とすると一匹7円10銭。 このシラサエビを付けエサおよび撒き餌にして釣る
釣り場では、ハネをまず寄せるためシラサエビを撒く、
専用の撒き餌柄杓で一度に4〜5匹を しかけを一投するごとに撒く。
銭計算すると およそ1回に30円のシラサエビを海に撒いていることになる、
その他、水深のある釣場では専用のエビ底撒き器でシラサエビを撒くこともある(1回あたり100円位の計算になる)
そしてシラサエビを撒き続けること1時間、ようやく待望のハネが回遊してくる。もちろん回遊の無いことも多々ある
お金と時間をかけてようやくハネは釣れる・・誠に贅沢な釣りである・・
(腕が上がってくるとシラサエビの撒く量を減らし経済的になってくると思うが)
贅沢な釣りではあるが、ハネを釣り上げると銭勘定など吹き飛んでしまう
それほどスマートで銀色に光るハネは私にとって魅力的である
お金は掛かるのは判っているが、止められないのがエビ撒きハネ釣りである
第12話 ハネ おしまい