ときメモ2バトルロワイヤル風SS

EpilogueAnother Version

???「・・・・。目標の始末を完了した。直ちに死体を回収後撤収する・・・。」

???「よし、今回もお前の働きのおかげで簡単にケリが付いたな。」

???「ああ・・・。」

誰もいない町の裏影で二人の男が何やら会話をしている。

その二人の男とは、『トラップ』とハンターとして一つの任務を終えた竹内であった。

竹内は、黒いジャケットに同じく黒い皮の手袋、腰にはハンター専用武器『黒桜花』・・・ほとんど黒尽くめの格好をしており、既にハンターとして何人もの人間(悪性因子と判断された者)を狩っていた・・・。

竹内は血の滴る黒桜花を一振りして血を払うと鞘に納めた。

トラップ「・・・しかし、お前もハンターとして大分板に付いてきたよな。最初は任務が終わる度に自室に篭って次の任務が与えられるまで出てこなかったって言うのに・・・。」

竹内「・・・・昔の事だ。今ではもう割り切って考えているさ・・・。」

『トラップ』は竹内の言葉を聞いて満足そうに笑うと竹内の肩に軽く手を置いた。

トラップ「やっと分かってきたみたいだな。この仕事は物事を割り切って考えなければ決してやっていけないんだよ。

下手な人情を持ってしまったら、そこを漬け込まれる。・・・お前と俺が初めて出会った施設の事を覚えているか?」

竹内「・・・ああ、よく覚えている。」

トラップ「一緒に施設に連れて来られたお前の友人の中に、眼鏡をかけた奴がいただろ?そいつも情けを捨てきれずに、お前が駆けつけなかったら殺される所だったんだよな。」

竹内「・・・・・・・・・。(・・・・そう言えばそんな事があったな・・・。)」

トラップ「ま、それからも分かるように命をやりとりする場合は人情とか情けとかは全て封印するこった。

一番いいのは感情自体を捨て去る事なんだがね・・・。そうなっちまうと、任務の効率は抜群に上がるんだが一緒に任務を行っていても面白味が無いんだよ。」

竹内「・・・・・。」

トラップ「・・・俺がお前の洗脳を薄めて感情を少し残したのは、そのせいさ。」

竹内「・・・・。(感情を捨て去るか・・・。もっとも、今の俺には人間らしい感情なんて無いも等しいのかもしれないけどな・・・。

むしろ、感情を完全に封印されて何も考えずにいられた方が楽だったかもしれない・・・。

何も考えない、何も感じない・・・その方が・・・。)」

トラップ「おい、何をぼーっとしているんだよ?早くこの死体を運んで本部に戻ろうぜ。」

竹内「・・・ああ、そうしよう・・・。」

竹内と『トラップ』は死体を真っ黒な布に包むと、近くに停車しておいたトラックに押し込んだ。

『トラップ』はトラックの運転席に座るとエンジンをかける。

トラップ「さてと、じゃあ先に俺は帰っているぞ。お前もすぐに来いよ。」

竹内「・・・ああ。」

『トラップ』はトラックを発進させると、排気ガスを残しながら走り去った。

その場に残った竹内も近くに停めてあった黒い大型バイクに乗ると、エンジンをかける。

竹内の使う物は何から何まで黒色が多い。まるで、彼の今の状態を表しているかのように・・・・。

竹内はバイクに乗って、本部に帰る途中で昔の事を思い返していた。

多くの友人に囲まれて、部活や勉強・・・そして恋愛も・・・。

楽しかった・・・平和な日常を満喫していた。だが、自分は平和な日常に対して不満を持つようになった。退屈な日常だ・・・。

何か刺激が欲しい・・・。そう思っていた矢先に、あの施設に拉致されて殺し合いをする事になってしまった。

そして、次第に平和な日常がどれだけ幸せなものだったか気が付いていった・・・。

・・・・しかし、全ては遅すぎた。

自分は結果的にハンターにまで身を落とす事になってしまった。組織には逆らえない。逆らう勇気が無い。

よしんば、逆らったとしても何処にも行く当てが無い。すぐに連れ戻されて洗脳を受け直されるだけだ。

最初の任務を遂行した後は、夜中は一睡も出来なかった。

任務を行っている間は『トラップ』が竹内に暗示をかけているので何もためらう事も手元が狂う事も無く、一瞬で全ては終わる。しかし、いざ事が終わってから自分が殺した者の死体を見ると、改めて自分が犯した罪に苦しめられることになる。

竹内は始めの頃は常に自己嫌悪と罪悪感に苛まれていたのだが、次第に任務を何度もこなすうちに人を殺しても何も感じなくなってしまっていた。

竹内「(・・・いつからなんだろう・・・。俺がこの仕事に対して罪悪感も恐怖も抱かなくなったのは・・・・。

いつからなんだろう・・・・。俺が人間らしい感情を表さなくなったのは・・・。何も感じる事が無いから俺はこの仕事を・・・ハンターとしてやっていく事が出来ている・・・。随分、俺は変わってしまったんだな・・・・。

・・・みんなは今頃何をしているんだろう・・・?純・・・匠・・・智・・・涼・・・光・・・。それに白雪さん・・・水無月さんに寿さん・・・。

・・・・・花桜梨さん・・・。元気にしているのかな・・・・。)」

そんな時、いきなり目の前に一匹の仔猫が飛び出してきた。

竹内は物思いに耽っていた為、すぐにはその事に気が付かなかった。

竹内「・・・!!」

キキィィッ!!

急ブレーキの凄まじい音を立てて、バイクは仔猫の目前で止まった。

竹内「・・・・危なかったな・・。」

ニャァ〜・・・。

仔猫の身体は薄汚れている。しかし、どこか人を惹き付ける魅力があった。

竹内「・・・・。」

竹内は仔猫に近づいてその場にしゃがみ込むと、何気なく手を差し伸べてみる。

ニャア〜。

仔猫は竹内の手にじゃれ付くようにして擦り寄ってきた。

竹内「・・・俺に轢き殺されそうになったって言うのに、お前は俺を恐れないのか・・・・。」

竹内は仔猫を抱き上げて頭を撫でてやった。

仔猫は気持ち良さそうに目を細めると、喉をごろごろ鳴らせる。

竹内「・・・・猫か・・・。(そう言えば花桜梨さんも猫が好きだったな・・・・。)」

竹内は仔猫を抱いたまま、花桜梨のことを思い出してみた。

・・・桜色の髪、一般的な高校生にしては大きめの長身、整った顔、自然を何より愛していた優しい性格・・・。

竹内「(・・・・・あの頃にはもう戻れないんだよな・・・。花桜梨さんにも、もう会える事は無いんだ・・・。)」

ニャァ〜・・・。

その時、仔猫が小さい声で鳴いた。空腹なのだろうか。

竹内「・・・お前を連れて帰る訳にはいかないんだ・・・。連れていっても、見つかればきっと殺されてしまうからな・・・。」

竹内は仔猫をその場に置いてバイクに乗ろうとしたが、仔猫は竹内の足に擦り寄ってきてその場を離れようとしなかった。

竹内「・・・・・。」

結局、竹内は途中まで仔猫を運んで、たまたま通りかかった動物病院の前に仔猫を置いて立ち去った。

竹内「(・・・・あれで良かったんだよな・・・。あそこに置いていけば、きっと病院の人が見つけてくれる・・・。)」

竹内はバイクで本部に帰りながら、自分の行動に対して少し疑問を抱いていた。

自分は人間らしい感情をほとんど失ってしまったのに、何故あの仔猫を助けようとしたのだろうか・・・?

しばらく考えていると、はっと気が付いた。

竹内「(そうか・・・!花桜梨さんが自然や動物が好きなのは・・・・そう言う事だったのか・・・。)」

それから一週間後、竹内に新たな任務が与えられた。

それは、いつもと同じように悪性因子の処理・・・つまり、殺害する事だ。

しかし、いつもと違ったのは『トラップ』には同じタイミングで別の任務が与えられた事だった。

普段は必ず共に行動していたのに、今回は竹内一人で任務を遂行するように命令された。

トラップ「今回が、お前にとって一人で行う最初の任務だな。」

竹内「・・・・。」

トラップ「何だよ、今更緊張してんのか?」

竹内「いや、そんな事は無いさ・・・。全ては今まで通りに・・・だろ?」

トラップ「そういう事だ。ほれ、これがターゲットの居場所だ。その地図に全てが書かれているぞ。」

『トラップ』は竹内に一枚の地図を手渡した。

トラップ「・・・今回の任務はお互い夜間に・・・しかも、目標の自宅にて行われる。

すぐに任務を達成したら死体を運び出して撤収しろ。・・・お前一人でも出来るな?」

竹内「勿論だ。確実に目標を始末してみせる・・・。」

トラップ「よし、じゃあ任務が終わったら本部で合流するぞ。じゃあ、またな!」

『トラップ』は懐に拳銃を仕舞うと、竹内と同じ漆黒のバイクに乗って本部を出て行った。

竹内「・・・最初に今回の任務の舞台となる町を確認しておくか・・・。」

竹内は、地図を広げて目標の人物の居場所を確認した。

そこは・・・。

地図を見た途端、竹内の顔色が変わった。

竹内「・・・・何だと・・・・!?」

夜の街、あるマンションの駐車場の隅に一台の黒いバイクが停車する。

バイクに乗っている者はマンションを見上げると、地図に記されている目標の居る部屋の位置を確認した。

そして、バイクから降りると黒く輝く刀を持ってマンションに近づく。

竹内だった。彼は、ひびきの市のマンションに住むある人物を狩るために自分が以前まで住んでいた街に戻って来たのだった。

竹内「(・・・まさか、任務のためにこのひびきのに戻ってくるとは思わなかったな・・。皮肉なもんだ・・・。)」

辺りを用心深く見回す。

時刻は午前3時・・・こんな時間には誰もいない。

竹内はマンションに入ると、非常階段を使って目標の部屋の階まで一気に駆け上がった。

竹内「(・・・・***号室・・。ここだな・・。)」

部屋のドアには表札が無かった。しかし、彼にとってはそんな事はどうでも良かった。

ただ組織から指示された部屋の人間を狩ればいいだけなのだから・・・。

竹内は部屋の位置を確認すると、屋上まで昇った。このマンションは四階建てであり、目標の部屋は三階にある。

屋上から下を見下ろすと、冷たい夜風が竹内の顔に吹き付ける。

竹内「さて・・・・行くか・・・。」

竹内は持ってきた丈夫なワイヤーロープを屋上の手すりにしっかりと結んで固定した。

そして、そのワイヤーロープを使って、三階の部屋のベランダに降り立った。黒い服装をしているので、全く目立つ事は無い。

その上、月が雲で隠れており、任務を遂行するには最高のコンディションだ。

目標の部屋のベランダに三階のベランダを伝って辿り着くと、室内を覗いて見る。

すると、丁度寝室が見えて、一人の人間がベッドで眠っているのが分かった。

竹内は静かにガラス戸に手をかける。しかし、ベランダのガラス戸には施錠がしてあり開く事は無かった。

竹内「(・・・いきなりこいつの出番か・・・。)」

そう呟くと、竹内は懐からガムテープを取り出して、ガラス戸に一定の形を描くように張り付けた。

それから、腰から黒桜花を抜くと、ガラス戸に突き立てると丸く円を描くようにしてガラス戸を切り裂いた。

ガラス戸は、きれいな円の形に切断されて竹内の方に転がり出てきた。

竹内「(・・・室内ではこの刀は任務には不向きだが、持って来て正解だったな・・・。)」

竹内は切断した所から手を入れてロックを外すと、部屋に侵入した。そして、真っすぐ寝室を目指した。

ベッドにはこれから自分が殺されるとも知らずに、静かに寝息を立てて眠っている者がいる。

竹内「(・・・・。)」

竹内は足音を立てないように細心の注意を払いながら、ベッドに近寄った。

そして、手にした黒桜花をそのまま目標の心臓に突き立てようと構えた・・・その瞬間!

???「!!?」

目標が気配を察したのか、ふっと目を開けた。

竹内「!!!(しまった!)」

竹内は咄嗟に目標の口を手で覆って声を出させないようにした。

???「んっ・・!ん〜・・!!」

薄暗い室内で、二人は格闘になる。

だが、人殺し専門のハンターである竹内が所詮は一般人である目標に負けるはずが無い。

素早く相手の両腕をまとめて左手で掴み、相手の身体の上に乗りかかって身動きを封じる。

目標を力ずくでベッドに組み伏せ終わると、改めて黒桜花を突き立てようとした。

???「・・・た・・助けて・・・。」

目標は今にも泣きそうな声で哀願する。

女の声だが顔は暗くてよく見えない。どこかで聞き覚えのある声だと思ったが、構わず相手の心臓の位置を確かめる。

悲鳴を上げられる前に一撃で目標を仕留めないと、悲鳴を人に聞かれたりして厄介だからだ。

竹内は今までにもこういった状況に遭遇した事が何度かあった。しかし、相手に泣きつかれようが命乞いされようが、冷酷に相手を殺してきた。竹内は例えどんな事があっても任務を遂行しなければならなかった・・・・。

???「・・・・お願い・・・許して・・・。」

目標が震えているのが暗闇の中でも分かった。相手の両手首をまとめて掴んでいる竹内の左手にそれが伝わってくるからだ。

竹内「・・・・・悪く思うな・・・。」

たった一言だけ呟くと心臓目掛けて刀を突き立てとした。

しかし、その瞬間に今まで雲で隠れていた月が、部屋の中を照らし出した。

それによって、ベッドの上にいる二人の姿も露わになる。

竹内「・・・!(ちっ、月が出たか・・・。)」

竹内は月明かりなどで自分の姿を見られることを極度に嫌っていた。例えこれから殺す相手だとしても、何となく気分が悪くなるからだ。自分の姿が照らし出された事で、刀を突き立てようとした手が一瞬止まる。

ふと周りを見ると、布団はベッドから落ちて、シーツは争った際にくしゃくしゃになっていた。

一方、自分が今まさに殺そうとしている相手は寝巻きが乱れ、ボタンが何個か取れて、はだけた胸元から白い胸が少しだけのぞけていた。元から色白の女性だったのだが、外からの月明かりによって、尚更肌が白く見えた。

竹内は、初めて見る女性の半裸の姿に少し動揺したがすぐに気を取り直すと手早く任務を終えようとした。

だが、お互いに顔を見合った瞬間・・・。

???「・・・・!!あ・・あなたは・・・竹内君!?」

竹内「!!!」

花桜梨「やっぱり竹内君ね!?・・・どうしてこんな事を・・・!?」

竹内は目を疑った。何と、これから自分が狩ろうとした相手は紛れも無い花桜梨だったのだ。

竹内「(・・・・何故、何故組織は花桜梨さんを・・・・!?彼女が悪性因子だなんて・・・何かの間違いでは無いのか?

そもそも、目標として識別するには日ごろの行動や過去の犯罪歴を照らし合わせて判断する・・・。

花桜梨さんが犯罪を犯しているとでも言うのか・・・!?)」

竹内は頭が混乱する。何が真実で何が嘘なのか判らなくなってしまった。

花桜梨「ねぇ!そうなんでしょ!?竹内君なんでしょ!?・・・お願いだから返事をして!!」

花桜梨は横に倒されながらも下から竹内の両肩を掴むと、必死になって竹内にすがり付こうとした。

竹内「・・・・!(何が・・・どうなっているんだ!?)

花桜梨「竹内君!あなたが私の事をどうしようとも構わないから・・・・でも、もう一度だけ声を聞かせて・・・お願い!」

竹内「・・・っ!!!」

一途な花桜梨の思いが言葉の中に感じられた。それが痛いくらいに竹内の心に突き刺さる。

気が付いた時には、竹内は花桜梨の腕を振り解くと黒桜花を掴んで花桜梨から離れようとしていた。

竹内は花桜梨から弾かれるように飛び退くと、そのまま一目散にベランダから逃亡した。

花桜梨は竹内の後を追ってベランダに出たが、そこには既に竹内の姿は無かった・・。

花桜梨「・・・・竹内君・・・・。どうして・・・・。」

花桜梨の頬を一筋の涙が流れ落ちる。

これが花桜梨と竹内の最後の接触だった・・・。

竹内は必死になってバイクの所にまで戻ると、そのままひびきの市から逃げ出した。

もう、ひびきのにはいられなかった。いたくなかった・・・。

竹内「(何故だ!!?何故組織はこんな命令を・・・!?)」

どれくらいバイクを走らせたのだろうか・・・。何時の間にか、細い山道へと竹内は入っていた。

竹内「・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・!!・・・うっ!」

急に吐き気が込み上げてくる。

竹内はバイクから降りると、木の影で嘔吐した。

まるで今まで押し殺していた自分の感情が爆発した事を表すかのように吐き気は強くなるばかりで、しばらくの間・・・吐き出す物が無くなるまで竹内は嘔吐し続けた。

そこへ・・・。

???「・・・・やはり、お前には無理だった様だな・・・。残念だよ・・・竹内・・・・。」

竹内「!!!」

急に人の声がして竹内は辺りを見回す。しかし、人の姿は見えない。

???「・・・俺が受けた別の任務とは・・・竹内、お前が今回の任務を遂行出来るか監視する事だったんだよ。」

竹内「!!」

竹内はばっと上を見上げた。そこには、木の枝に立つ『トラップ』の姿があった。

トラップ「・・・・お前がこの任務を遂行出来なかった際には、俺はお前を狩るように言われている・・・。」

竹内「・・・はぁ・・はぁ・・・・はぁ・・・!・・・何・・だと・・・!?」

『トラップ』は木の枝から身軽に一回転して着地すると、拳銃を竹内に突きつけた。

トラップ「・・・・・あれだけ言っただろ?人情や情けは捨てろ・・・とな・・・。」

竹内「・・・・待て!何故花桜梨さんが悪性因子なんだ!!そもそも目標となる人物はそれなりの奴らばかりだっただろうが!?」

トラップ「・・・今回は特別だよ。最近、ハンターとしてスムーズに任務を行えるようになったお前を試すハンターの最終試験みたいなものだったのさ。」

竹内「最終試験・・・・!?」

トラップ「そう・・・、お前が如何なる状況に置いても冷静に任務をやり遂げられるかどうかを試す試験さ・・。」

竹内「・・・・まさか・・・それを確かめる為だけに、俺に何の罪も無い花桜梨さんを目標として始末させようとしたのか!?」

トラップ「ま、そういう事だ。・・・彼女には悪いけど、これも世の為なんだよ。

一人や二人の犠牲で世間の平穏が守られるなら安いものだろ?そうは思わないか?」

竹内「・・・・何て事を・・・!」

竹内は拳を力一杯握り締める。

トラップ「・・・・ハンターにも・・・人間にもなり切れない哀れな存在であるお前に・・・俺からの最後の贈り物だ。

・・・あの世への招待状だよ・・・・。受け取りな・・。」

『トラップ』はそう言って、拳銃の引き金に手をかける。

竹内「・・・・・っ!」

ダァァン!!

一発の銃声が山中に響き渡った・・・。

 

ときメモ2バトルロワイヤル風SS

EpilogueAnother Version

<完結>

 

BR計画演習・・・最終報告・・・

第一次派遣ハンター

『スナイプ』・・・死亡

『ウェポン』・・・死亡

『ナイト』・・・死亡

『トラップ』・・・生存(対抗派閥のスパイとして活動後、逃亡)

『キング』・・・生死不明及び消息不明

(恐らく施設で竹内によって殺害されたと思われる。死体は『トラップ』によって運び出された可能性が高い)

第二次派遣(増援ハンター)

『マインド』・・・死亡

『ライン』・・・死亡

第二次派遣ハンターは全滅、第一次派遣ハンターも一人を除いて皆死亡・・・事実上の全滅と見られる。

計画選抜メンバー(男子)

穂刈純一郎・・・生還

坂城匠・・・生還

秋口涼・・・生還

小倉智・・・生還

竹内秀彰・・・生存→死亡(?)(後にハンターとして活動後に、『トラップ』によって狩られたと思われる・・・)

(女子)

陽ノ下光・・・生還

水無月琴子・・・生還

白雪美帆・・・生還

寿美幸・・・生還

八重花桜梨・・・生還

白水美月・・・死亡(後に正体がハンター『ライン』と分かる)

計画選抜メンバーは一人を除いて全員生還・・・

最終生存者9名・・・。

 

あとがき

終わりました・・・・。長い長いSSとなってしまいましたが、(SSと言えないかもしれませんが・・・)ようやく完結しました〜。

いかがだったでしょうか?これも一つの終局の形です。最後に竹内は何を思い、何を感じ、何を考えたのでしょう・・・。

かなり暗い終わり方となりましたが、私としてはかなり満足しています。

日常の中に潜む、闇の部分をモチーフとして書きたかったので、それなりの出来にはなったと思いたいです。(^^;)

ここまでお付き合いして頂いた読者の方々に感謝すると共に、掲載していただいたサイトの管理人の方に厚く御礼申しあげたいと思います。何かこのSSに関してご感想がありましたら、どしどし感想掲示板やメールなどで送っていただければ幸いです。

今まで、本当にありがとうございました!

 

2001年 217日 ATF

 

戻る