後編
「…ったく、遅いな」
水着一枚となり、既に準備万端となって俺は、海の家の前で栞を待っていた。
服の中に水着を着込んでいたので、俺は着替えるのに1分とかからなかった。
てっきり栞もそうしてきていると思ったが、どうやらそうではないらしい。既に5分以上も経過している。
そして俺が着替え終わってから、10分程度が経とうとしたその時だった。
「祐一さん、遅くなってすいません」
「ああ、別に……………」
そこまで言って俺は動きが止まってしまった。
俺の目の前には(当たり前だが)、水着姿となった栞がいた。
「どうしたんですか?」
突然動きの止まってしまった俺を見て、栞が不思議そうに顔を覗き込んできた。
栞の着ている水着は、飾り気が控えめな少し大人っぽい白のビキニだった。それは、栞の白い肌にとてもよく似合っていた。
「…似合いますか?」
自分の来ている水着を見て、少し照れ笑いしながらそう尋ねる。
そんな姿が萌え…じゃなくて、可愛らしい。
「ああ、よく似合ってると思うぞ」
俺がそう言うと、栞は嬉しそうに言った。
「そうですか? お姉ちゃんに見せたら背伸びし過ぎだって言われたんですけど…祐一さんにそう言ってもらえて嬉しいですっ」
しかし、そこで少し意地悪したくなっちゃうのが相沢祐一さんの性格だ。
「まあもう少し胸があれば、もっと似合ってたと思うけどな」
「そんなこと言う人、嫌いですっ」
予想通りの答えが返ってきた。
「まあそれは置いといて……」
拗ねる栞をよそに、俺は1人で話を進める。
「置いておかないでくださいっ」
隣で栞が抗議する。
「とりあえず泳ぐか。でないとわざわざ海に来た意味がないからな」
栞の抗議を聞き流し、俺は海に向かって歩き出す。
「おい、早くしろよ。おいてくぞ〜」
歩きながら腕を振って、俺はそう言う。
「あ…待ってください〜〜」
それを走って追い掛けてくる栞。
照り付ける太陽の光、澄み切った海の青。微かに聞こえる蝉の声、打ち寄せる波音。
確かに今ここに存在している小さな『奇跡』を、俺は噛み締めていた……。
終わり
あとがき
こんばんわ。財布を落として、かなり落ち込んでる要です。
今回、お金がないと何も出来ないので、取り敢えずSS書こうかなという結論に達したのでこういうことに。
また、というかやはり、というか…KanonのSSです。いかがだったでしょうか。
前回が天野美汐というサブキャラをメインにしたので、今回はメインヒロインの中から選びました。
実際問題、サブキャラをメインにすると書きにくいですし。前回、それで痛い目に遭いましたから。(汗)
そんなわけで今回は栞がメイン。ゆーさんの喜ぶ姿が目に浮かびます。(爆死)
今回の季節は夏。夏といえば海。海といえば水着。これは定説ですね。(核爆)
というか、Kanon全キャラの水着姿。見てみたいですね〜。
佐祐理さんはパレオとか付けてそうですね。舞はワンピースよりビキニの方が似合うかも。
名雪はいちごの柄とかついてそうですね。あゆはワンピースの方が合ってるかな。栞はスク(自主規制)
妄想はここら辺にしておいて、今回も短くなってしまいましたね。まあ短時間で書いた作品ですしね。
でも投稿する度に短くなってますね。これは悪い傾向だなぁ……。
しかもこれ、続きが書けそうですね。余裕があったら書こうかな。
さて、この辺りで恒例の近況とか。
まずSSですね。相変わらず5本同時進行です。
1番早く完成するのは佐祐理さんのSSかな。バレンタイン話です。
あと余裕が出来れば、バトロワSSを再開するかもしれません。ただしその時は、出典作品を少し変えますけど。
オリジナル小説は、進んではいますけど、本当に少しずつです。どうなることやら…。
あと私的なことを1つ2つ。
最近はPCではなく、ワープロでSS書いてます。理由はありません。気まぐれです。(笑)
あとは…ないですね。マリみてにハマってるということくらいでしょうか。
次回は佐祐理さんメインのバレンタインSSの予定です。…でも予定通りになったことはほとんどありませんw
期待せずに、気長にお待ちくださいね。
2004.2.8 前略、露天風呂の上より(NO PLAN)を聴きながら
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