レポート「秋子さんに酒を飲ませたときの考察」

相沢祐一 作







 俺はふとあることが気になった。
 秋子さんは酒類を飲むとどうなるのだろうか。
 今は1人で名雪と俺を養っている立場上、酒類は自粛しているのかもしれないが、秋子さんだって酒くらいは飲んだことはあるだろう。
 そのような理由により、俺はこのレポートを作成することにした。

仮定その1

 もしも秋子さんが酒乱だった場合  1番に考えたのはこれだ。秋子さんは実は物凄く酒癖が悪く、それを戒めるために酒を自粛しているのではないか。
 もしその仮定が正しい場合・・・

「祐一さん、このジャム、食べてくれませんか?」
「え!?でも、そのオレンジのジャムは・・・」
「なんですか?もしかして、私のジャムが食べれないとでも言うつもりじゃないでしょうね?(怒気を含んだ声で)」
「え、いや、その・・・」
「どうなんですか?」
「え、えーと・・・」
「早くしてください、祐一さん!」
「あ、あの〜〜・・・」
「・・・もういいです。こうなったら無理やりにでも押し込みます」
「えっ!!?そ、それだけは・・・」
「えいっ!!」

がぼっ!!!(秋子さんがビンごと祐一の口に押し当てた音)

・・・これ以上は想像したくない。というか、酒乱な秋子さんって想像出来ん・・・よってこれは無いだろう。

仮定その2

 もしも秋子さんが泣き上戸だった場合
 仮定その1の考えを無理やり消すためにこの理由を考えてみた。
 ん?誰だ?展開が強引だなんていう奴は!?そんな事言うと作者が泣くぞ?
 もしこの仮定が正しい場合・・・

「祐一さん、このジャム、食べてくれませんか?」
「え!?でもそのオレンジのジャムは・・・」
「食べてくれないんですか?」
「え、いや、そんな潤んだ目を向けられても・・・」
「そうですよね、こんな高校生の娘がいるようなおばさんの作ったジャムなんか食べたくないですよね・・・(ぐすぐす)」
「あ、あの〜〜・・・」
「祐一さんは栞ちゃんや倉田さんのような美人で可愛くて若い娘の作る食べ物の方がいいんですね・・・(えぐえぐ)」
「美人と可愛いって意味がかぶってるような気がしますが・・・ってそんなことありませんよ!」
「でも現に、祐一さんは私の作ったジャムを食べてくれないじゃないですか〜〜」
「いや、それは・・・」
「うえ〜〜〜〜〜〜ん、祐一さんが〜〜〜〜!!」
「・・・・・・・・・」
「いいんです、どうせ私なんか、私なんか・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

・・・これはこれで困る。この後、どうしてもあのジャムを食べなければならないと言う結果になる。

 でも、泣きじゃくる秋子さんも見てみたいような・・・

・・・って俺は何を考えている。次の仮定に行こう。

仮定その3

 もしも秋子さんが・・・やっぱりやめよう。
 なんだか同じ結末を迎えそうだ・・・
 それにどれだけ仮定を出しても、それは仮定でしかない。実際にそうなるとは限らないのだ。

・・・・・・・・・じゃあ実験してみようか・・・

 と言うわけで、実験の機会をうかがうこと数日・・・

 今日は9月23日。知る人ぞ知る秋子さんの誕生日だ。
 ちなみに何歳の?と聞いてはならない。それは水瀬家では決して言ってはならないことだ。

「お母さん、誕生日おめでとう!!」
「おめでとうございます、秋子さん!!」
「あらあら、2人ともありがとうございます」

 俺たちは秋子さんの誕生日を祝っていた。いつもより豪華な食事が食卓に並ぶ。  これのほとんどを名雪が作ったらしい。やっぱり秋子さんの娘だけあって料理が得意のようだ。  その料理を食べ終わり、しばらく雑談に興じていたときのこと・・・

「あ、そうだわ。せっかくだから・・・」

 何かを思い出したらしい秋子さんはそう言って、リビングに消えた。俺と名雪はお互いに顔を見合わせて首をかしげていた。

「お母さん、何を取りに行ったんだろう・・・?」
「さあ・・・?」

 しばらくして、秋子さんが戻ってきた。手には何か1升ビンのようなものを持っていた。

・・・ってまさか、これは・・・

「秋子さん、それってもしかして・・・?」
「はい、お酒です。先日、知り合いからもらったのですが、なかなか飲む機会が無くて・・・」

よし!!実験の機会がやってきた!!!

「わ、駄目だよ。私たち、未成年だよ」

 む、名雪、せっかくの機会を潰す気か?そうはさせるか!

「まあせっかくの機会だからいいじゃないか。それに、成人式にいきなり飲むよりも、今のうちにある程度慣らしておいたほうがいいぞ?」
「そう・・・かな・・・?」
「ええそうよ名雪。それに私1人じゃ飲めないから・・・」
「な?滅多にある機会じゃないんだし、もらっちゃおうぜ?」
「でも、お母さんって確か・・・」
「どうしたの名雪?私がどうかした?」
「う、ううん、なんでもないよ。じゃあ、少しだけ・・・」

そして、数十分後・・・

 この状況をなんと言おうか・・・
 簡単に言うなら、名雪は酔って床で寝ている。
 俺は比較的強い方だったのか、結構飲んでも頭ははっきりしていた。
 秋子さんは・・・・・・さっきから俺の右腕にしがみついていた。
 そのせいで、俺の腕が秋子さんの胸に包まれている・・・
 なかなか柔らかくていい感触・・・じゃなくて。

「あのー、秋子さん・・・腕、放してもらえませんか・・・?」
「どうしてですかぁ・・・?家族とのスキンシップはいけませんかぁ・・・?」
「いえ、そういうわけでは・・・」
「じゃあいいじゃないですかぁ〜〜〜」

 まさか秋子さんが、絡み酒だったとは・・・どうしよう・・・

「うふふふふ・・・祐一さんの腕は逞しいですねぇ・・・」
「そ、そうですか・・・」
「ええ、なんだかとっても安心できますぅ・・・」

 そう言えば秋子さんは長い間一人で名雪を養っていたんだな・・・たまには誰かに甘えたい時だってあるさ・・・

「・・・すー・・・すー・・・」

 いつの間にか秋子さんは寝ていた。その顔はとても安らかだった。
 俺は秋子さんを起こさないようにそっと抱き上げ、秋子さんの部屋へと運んでいった。

秋子さんの部屋

 さすがに着替えさせることはできないので、そのまま秋子さんをベッドに横たえさせた。
 そして、秋子さんから離れようとしていたのだが・・・

「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「秋子さん・・・起きていたんですか・・・?」
「ええ。ずっと起きていましたよ?」
「で、何で俺の腕をつかんでいるのですか?」
「祐一さんにはまだ誕生日のプレゼントをもらっていないので・・・」

 そう言えば、名雪は誕生日プレゼントの代わりに今日1日家事をやってたな・・・

「すみません・・・俺、何も用意できなくて・・・」
「ふふふ、構いませんよ。祐一さんをいただきますから」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」
「ですから、祐一さん自身をいただきます」
「・・・あの〜、それってどういう・・・」
「言葉通りですよ?」
「・・・・・・本気で?」
「ええ、本気です」
「あ、そうだ!!俺台所の片づけを・・・」

 そう言って振り返ったのだが・・・

がしっ

「逃がしませんよ、ふふふふふ・・・」

 しっかり秋子さんに捕まえられてしまった。

「さあ2人で官能の世界へ!!」
「いやああああああああ!!」



結論

 秋子さんは極度の絡み酒でした・・・

―おしまい―



あとがき


AAA「なんだろう、このSS・・・」
栞「なんだか良く分からないSSでしたね・・・」
AAA「なんだか支離滅裂って感じがするし・・・」
栞「仮定その1の想像は、全然酒乱って感じじゃないですし・・・」
AAA「想像できなかったんだよ・・・酒飲んで暴れる秋子さんって・・・」
栞「普段がああいう人ですから・・・」
AAA「展開が強引だしなぁ・・・」
栞「本当ですよ、まったく・・・」
AAA「まだまだ自分の技量不足を痛感するなあ・・・」
栞「一定のジャンルのSSばっかり読んでいるからですよ」
AAA「そうは言っても・・・」
栞「これからしっかり修行してくださいね?」
AAA「はあ・・・気が重い・・・」
栞「ネガティブな話はこの辺にしときましょうよ」
AAA「そうだな。1616ヒット&『どっちつかず』10万ヒット記念SS、いかがでしたでしょうか!?」
栞「管理人初の秋子さんSSでした!」
AAA「ネタがそろそろギリギリとなってますが、皆さんのリクエストにはできるだけ応えていこうと思います!」
栞「これからも応援していただけると嬉しいです」
AAA「こんな壊れ作家ですがSSを期待してくれている人がいる限り頑張っていこうと思います!!」
栞「いるのでしょうか・・・期待してくれる人なんて・・・?」
AAA「いるのかなぁ・・・?」
栞「作者が弱気になってどうするんですか!?」
AAA「まあ、それはともかく・・・」
栞「1616ヒットありがとうございました!そして、10万ヒットおめでとうございます!!」
AAA「本当にすごいです。10万ヒットって・・・」
AAA&栞「それでは、さようなら!」




(あの後、祐一さんはどうなったんですか?)
(18歳未満には見せられないような場面に突入・・・)



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