Jude & The Great Outdoors

ハートリー映画には、音楽が欠かせない。自身もNed rifleの名で参加している位だから
余程の音楽好きであろう。私が初めて彼の音楽好きに触れた(?)のは、"Amatuer"
(邦題名「愛・アマチュア」こんな気恥ずかしいタイトルだった)であった。
まだ見もしない映画の輸入盤のサウンドトラックを手にしてウロウロと視聴しようか迷った末、結局購入した。
その頃、巷ではニルバーナやパールジャム等に代表される別名、シアトルロックと呼ばれたグランジロックなるものが
流行っており、私はブラインドメロンやレモンヘッズのライブに足を運んでいた。
そしてご多分に漏れず、友人の影響を受けてR.E.M.が好きで、海外のファンクラブに入っていた。
唯一私が所有するエレキギター、フェンダーのテレキャスターを買ったりしたのも、この頃だった。
激しいギターが好きなわけではないが、荒削りなギターワークの中に光る美しい旋律に魅入られていたのである。

だからこのサウンドトラックをちょっと聴いただけでも、ワクワクと胸を高鳴らせてしまい、
「私もこんなギターが弾きたい」と思ってしまう。 そして、"Simplemen"や、短編集"Surviving Desire"を見るにつれ、「この監督は、音楽の趣味が私と似ているようだ。」
とつくづく感じるようになった。
特にSurviving Desireで、夜道にて"The Great Outdoors"(「素晴らしき野外」とでも言おうか)
という名のバンドが歌い出すあの突飛さが、監督の音楽に対する考え方を反映している様に映る。
バンドのボーカルが、アパートに住む女性に捧げる格好で歌は始まる。そこを主人公と友人が、
大きな身振り手振りで何やら話をしながら、通り過ぎて行く。
音楽は何処にでもあるもので、カジュアルに楽しめるものであるにも関らず、
心を通わせたりその場の雰囲気を変える力は計り知れない。BGMではなく本人をも映し出すその音楽は、
監督の遊び心を反映しつつ、しっかりと自己主張している。
これを書いていて、似たタイプの監督を思い出した。ヴィンセント・ギャロも
又、自作の曲を映画の中で披露している。ただしギャロは非常に個性が強く、格好良すぎて人気沸騰(笑)、
彼はベルベットアンダーグラウンドなどの、60年代後半のNYアンダーグラウンド系も又、好きなんだろうか。
ハートリー映画も又、80年代から流行出したサウンド重視の映画作りに取り組んでいると言えなくは無いが、
音楽のセンスや、効果の出し方がちょっと他の人と違うなと感じるのは、私だけだろうか。
決して目立たず、しかしちょっと変な曲の趣味。
今聴いても、いつも初めて聴いたときの気分になれるのは、
ハートリー特有の控えめな自己主張のなせる技かもしれない。




(C)Hazuki. 2001
image pictures from "Trouble & Desire" & "Martin Donovan" website. Thanks!
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