Mark Hamill
マーク・ハミルを探して
マーク・ハミルの出演した映画は多くない。
テレビシリーズや映画でも端役が目立つ。
『マペット・ショー』のルークとそのいとこを
明るく楽しく歌や踊りでやってる姿をかいま見て
子供好きの歌のお兄さんみたいだなと思っていたら
一時期はブロードウェイに立ってミュージカルを演じていて
賞も取ったりしている。
かなり器用な人なのに
役に恵まれないのはやはりジェダイのイメージが
ぴったり固定されてはがれなくなってしまったからなのか。
実にもったいない。
際立った役がルーク・スカイウォーカー以外にないことが残念でならない。
『エリックの青春(Eric)』では主人公の弟役として
白血病を患う兄の現実を受けいれられず取り乱す姿を好演している。
兄を慕うあまり、冷静ではいられず、八つ当たりして泣きくずれてしまう。
優しい兄を永遠に失うことへの恐怖でいっぱいいっぱいになってしまう。
普通だったら、「中二病か」と生意気でうんざりするかもだけど
彼が演じると可愛らしさ満開で、病気の兄をバンバンたたく(おいおい)姿に
不覚にもきゅんとなる。
彼は葛藤を上手く表現できる俳優だ。
現実とのギャップに苦しむ青年の役が多かった。
我侭で、寂しげな表情、そして正直。
まばゆいばかりの青春キャラの王道だ。
『コルベット・サマー(Corvette Summer)』なんかもやっぱりそう。
コルベットを取り返すために旅に出て、出会い、裏切りなど経験値をあげて
大人の世界をかいま見て、今まで知らなかった喜びや悲しみを知る主人公。
この作品では、コミカルな演技も見せてくれて見ていてとても楽しい。
ちょっとダークサイド(?)に落ちたりして、黒衣装でベッドで横たわる姿なども
読者サービスではないかと思う位、艶っぽく、変に決まっていて面白い。
そうそう、たまには汚れた妖しさも見せてほしいものです。
だってあなたは俳優
うぶで清らかなイメージばかりでは息がつまるでしょう。
最初は迫りくる女の魔の手から逃れてた、シェルドンみたいなギークなのに
女の子を意識するようになってからの彼の急変ぶりがおかしい。
ライト・サイドのライトコメディも彼の持ち味だったのです。
日本の少女漫画に出てくるような「がばっ!」という効果音がついてるような
求愛の仕方といい、黒ずくめの衣装と共にある種の感動すら覚えて
青春のやり直しをさせられてしまいそうだ(おいおい)。
『スターウォーズ』以外で彼を見かける事は今後あるのだろうか。
彼の先行きをつい気にしてしまう。
ルーリードの歌じゃないけど
『ウォーク・オン・ザ・ワイルドサイド』ならぬ、
『ブライトサイド』でお願いしたいものだ。
ローリングストーン誌のインタビューでは観念的な考え方を語ってくれているし
本来はとても知的な人だと思うから
今後、ジェダイで(それこそ霊体となり)キャリアも終了なんてなったら
なんだかとても残念すぎてちょっと泣けてくる。
声優としてだけではなく、ぜひとももう一度彼の演技を映画やドラマで見たい。
良い脚本に恵まれればきっと、スクリーンに彼が登場する日がやってくるかも。
そんな素敵な日がやってくることを密かに心待ちにしている。
それにしても、もう一度体重落とせて良かったね。
できることならいつまでも元気に活躍していてほしいものです。
健康の為にも適正体重で、第二・第三の舞台を踏み続けてほしいから。
そうしたらすぐに探しにいくから。ずっと遠く、遥かかなた、宇宙の果てまでも。
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