小さな哲学~雑想の世界
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生きることの意味

全員()、そろった!

いろいろ話してきたけど、哲学がなにか、わかった?

考えること。なにか意味があるから考えるわけじゃない。考えたいから考える。

そうだね。

わたしたちが生きていることには意味があるの?

いきなり、きたね。

みんな、いずれ死ぬのに‥‥無理して、なぜ生きているの?

意味があるとかないとかいう前に、死ぬのはいやだよ。

どうして。

痛いかもしれないじゃないか!

痛くさえなかったら、いつ死んでもいいのね。

う~ん、そういうわけじゃないけど‥‥。 お父さんにもお母さんにも会えなくなる。

ぼくにはお父さんもお母さんもいないけど‥‥いつ死んでもいいの?

センセイが死んだら、お父さんやお母さんがいなくても、ほかに悲しむ人がいるよ。

悲しむ人がいない天涯孤独(てんがいこどく)の人だったら、いつ死んでもいいのかな?

そうなってしまうね。

自分以外の人がどうこうじゃなくて、自分がいなくなるのが怖いんじゃないかな?

慣れ親しんだ世界から新しい世界に入るのが怖いのかも。

そもそも、死ぬということは、どういうことだと考えているの?

この世からあの世への旅。

だったら、旅先で、もう死んでしまった人たちと会えるかもしれないよ。死ぬのも、まんざらじゃない。

夢も見ないような深い眠り。

夢も見ないような深い眠りだったら、自分がいなくなったり、新しい世界へ入ったりするのを怖がる “自分” もいない。だから、なにも怖くないはずじゃないかな。

話をもどしていい?わたしは、「生きていることに意味がある」という場合の「意味」の意味がわからない。

どういう意味なんだろう?

「得になる」とか「利益がある」の意味だと思う?だから、「生きていることに意味があるか」ってのは、「生きていて得になることがあるのか」の意味。

「得になる」ってのは「お金が儲かる」の意味じゃないかな?

だったら、お金が欲しくない人は、生きている意味がないのね?

自分が欲しくなくても、自分の家族とか子孫とかにお金を渡したり、残したりすることができる。

やっぱり天涯孤独の人は生きている意味がないのね。子孫もいないし。

お金を残せなくても、名前を残せるんじゃないかな?

何千年も名前を残している人がいるね。

でも、ごくわずか。

わたしは、名前を覚えておいてもらいたいとも思わない。

「生きる意味」の「意味」が「得になる」の意味だと、「生きる意味はない」ってことになるのかな。

う~ん。

自分一人のために得になるというのとはちがって、チーム全体のための得になるから、勝手に死んじゃいけないっていう考え方もある。“命のリレー”っていわれるもの。

どういう意味?

ミトコンドリアって知ってる?

知らない。

 そう‥‥。キミにはお父さんとお母さんがいるよね。

いる。

キミの命はお父さんとお母さんにもらったもので、お父さんとお母さんとはそのお父さんとお母さん、さらにそのお父さんとお母さんはそのまたお父さんとお母さん‥‥という感じで、命というバトンをリレーしてきている。そしてまた同じバトンを子どもにリレーしてゆくことができる、ってことなんだ。


ふーん。

バトンは自分だけのものじゃなく、チーム全体のものだから、勝手にどこかに捨てたりしてはいけない。この理由で自殺しちゃいけないっていう人もいる。

それだったら、結婚しない人、子どもをもつつもりのない人には、生きる意味がないってことになる。

そうだね。

それに、自分の子どもに命をリレーしたところで、いずれ生物がほろびてしまったら、そのリレー自体が終わってしまう‥‥

太陽が燃え尽きてしまったら、生物は途絶えてしまうだろうね。

それでも、自分の体をつくっていた元素は残るんじゃない?

わたしの体のなかにあるカルシウムや鉄が生命のない宇宙空間のなかで残り続けたとして、それがなんになるの? そんなの残ったって、わたしにとってなんの得もない。

どうすれば
、答えられるんだろう?

‥‥‥

ぼくも、わからない。「意味」というのを、もう一度はじめから考えなおさないといけないのかもしれない。

寒くなってきた。

雪が降りそう。
 
コタツが恋しい。

寒くなってきたね。そろそろ、ぼくも、おいとまかな。春までのお別れ‥‥また会えて、話せたら、いいね。――(了)


やっと最終章にたどりつきました。長かったけど、最終章も短編でした。お気づきの方もおられるかもしれませんが、『ソクラテスの弁明』の議論を改悪して拝借した部分があります。しっかり答えを出せって?考えるプロセスが哲学だということで、お許しをば。
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