東海

レイクホテル花の井(舘山寺温泉)★★★

 浜名湖畔の中心地に湖畔に面して建つ立派な旅館である。部屋側の展望を確保するためか、 玄関とフロントは裏側にある。 玄関入って驚くのは、漆塗りの欄干のある橋のような入り口である。 他の場所にはないので何か意味があるのかもしれない。旅館は鉄筋7階建てで、露天風呂などは離れになっていて、 温泉だけの利用も可能らしい。洗い場は狭いが、浴槽はふんだんに用意されている。共用部分や客室の設備は標準を満たしている。トイレのサイズは狭い、 温水洗浄の設備は付いているが。夏場には戸外プールがオープンしている。
 8月は毎夜8時から15分ほど湖上に花火が上がり、正面の上層階からの眺めはなかなかのものだ。 昼間でも大草山からの眺望よりは旅館の窓からのほうが良い景色が望める。ライトをつけたロープウェイ などもよく見える。掘り炬燵が付いているので、冬に来るのも良いかもしれない。宿泊して損のない旅館だろう。 ただし部屋の眺望を確認のこと。
 食事は値段相当だと思う。おいしいと言えば嘘になるが、これだけの眺望のよい客室を用意し食事も 立派には無理なのかもしれない。全般的に塩辛い、のどが渇くこと必定。1泊2食付き25000円(2000.8.26)


城之島館(下呂) ★★★

 下呂駅から来るまで町並みを見下ろす高台へ登る。林間に建つ古い旅館である。下呂は草津、 有馬と並ぶ日本三大名泉の一つである。展望大浴場からは飛田の山々が見える。露天風呂のあるが、 聞くところによると若者向けに新たにしつらえたものだそうで、由緒はないらしい。雪の季節は大変だが 、残雪の時期はなかなかきれいな景色が広がる。古いだけに、いろいろといわゆる高名な人々が訪れたらしく、 写真等が飾ってある。ここもご多分に漏れず増築による迷路のような廊下が続く。こういう和風旅館の場合、 木造のためトイレやそこへの通路の暖房が弱い。温泉街に出歩いたり、館内で遊ぼうとする人々には向いて いないが、ゆったりとして晩餐を楽しむのには向いているところだ。12畳の客室で、バストイレが専用 廊下続きで設けられていて,、下のようなメニューの料理付き、2万円以下とは安い。
 朝食後のひととき、玄関横の喫茶で林間の景色を眺めながら飲むコーヒーは格別な雰囲気がある。


ホテル花水木(長島温泉) ★★★★

 遊園地、ジャンボプール、レジャーセンターなどからなる長島温泉 レジャーランドの一角にそびえ立つタワーが、この界隈で最上級のホテル花水木である。伊勢湾が望めるなかなかの 場所だ。名古屋圏に属する。
 宿泊客のかなりは、レジャーセンターを訪れる。売れっ子の演歌歌手などが常時出演している。それが目当てに 客が多いということかもしれない。遊園地で楽しみ、レジャーセンターでくつろげば一日が終わりとなる。
 ロビーは広く明るい。清潔感がある。ホテル宿泊者は、レジャーランドへの入場が自由になっている。部屋から レジャーランドが見下ろせるのはなかなか楽しい。週末ともなるとさすがに利用客が多い。
 敷地内にはその名のごとく花水木が多く植えられ季節にはきれいな花が咲き、かぐわしいかが漂う。庭は大した ことはないが。
 名古屋は食にうるさいところだから、ホテルの夕食もよくできている。大都市のまっただ中にあるいわゆる高級 ホテルに比べれば、設備などは引けを取るかもしれないが、これだけ楽しめ温泉に浸かれればリーズナブルな料金 設定になっていると思う。そこが4★の理由。子連れもちろんだが、熟年夫婦でも結構楽しいのでは。




新八屋(鳥羽石鏡) ★★★

 近鉄鳥羽駅から迎えのバスで25分、半島の高台に立つ旅館。ロビーや客室からの展望は 抜群である。展望だけが 取り柄といってもよいかもしれない。特に客室206号室は2面がガラス張りなので、朝日・夕日が美しい。初日の出 には客も多いとか。名前から察せられるごとく、ここは民宿からの出である。従って新鮮な魚類が自慢のところであるから 下手な日本料理を期待してはいけない。あくまでも豪快に魚また魚だけである。夕食膳にはそれ以外の料理は見る影もない。しかしいくら魚がよいといっても、舟盛りに加え、さらにマグロとはまちの一皿が付くのはどうであろうか。料理長名の付いた お品書きが泣こうというもの。 ここは誇り高きかのD某クラブの推薦宿になっていた。景色と魚だけを見れば合格なのだろう。 一泊2食付き平常価額2.5万を1.9万で泊まれば安いといえる。客室は20そこそこのこじんまりとした宿だ。温水トイレが付いているところなどは、新しい建物であることの証か。(2000.11.2)





ペンション ポリーアンナ(小淵沢)(ホテル旅館並みのランク付けはしない)
 清里、甲府、小淵沢と八ヶ岳山麓一帯には、数え切れないほどのペンションがある。メルヘンチックなもの、山小屋風、長期滞在型などよりどり見取りだが、施設のランク付けが出来ていないので、利用者には選択しにくい。口コミに頼るしかない。ホームページを持っているところは多いので、かなり参考になる。さてポリーアンナは1981年創業というからペンションの草分け的存在だ。森の中にかなりの敷地を有し、草花もいろいろとアレンジされている。建物を含めた雰囲気は落ち着いた英国調に統一されている。コテージ2棟以外はバスト入れなし。食事はガーデンレストラン「Cafe Cottonwood」で。風呂場は一応2室用意されているが、歩くのをいとわなければ、近くの「延命の湯」(600円)というスパへ出かけることを勧める。いちおう露天風呂もある。創業から今日まで発展してきたのは、どこにも負けないというママさんの自負と自信の賜か。(我々は寮長という愛称を奉った。ご免こうむる。) 客室がたたみ1枚分広ければ申し分ない。 1泊2食付き約10000円/人
〒408-0044 小淵沢町2790−2 TEL:0551−36−3954 E-Mail:polly@pollyanna.gr.jp   
ホームページ:http://www.pollyanna.gr.jp






三鞍の山荘(静岡遠州森町)(一般には公開されていないのでランクなし)
 オーナーシステムで運営されている別荘なので、利用には紹介が必要。フランス料理の大御所たちが設立した日本エスコフィエ協会の一員で理事の今井克宏というシェフを、要はうまいもの食べたさに抱え込み「オーベルジュ三鞍の山荘」を作り上げたということらしい。掛川から太田川、三倉川をさかのぼり、山道をたどること小一時間、何を好きこのんでという感慨に浸る頃ようやく山荘に到着する。わずか5室しかない。(ドアの鍵が2重になっているところやや気になる。)木造の山荘は窓を開けると眺望が拓け気持ちがよい。禁煙は徹底していて、道路隔てたところに小さな喫煙小屋が用意されているだけ。周囲の野原には野生の白百合が数多く見られすばらしい。当日のメニューはコピーのとおり。手書きなので拡大しても読みにくいかもしれない。メインディッシュは牛のシチュー、肉よりは舌のほうがおいしかった。自然で育てた素材を生かした料理をと心がけている。それだからサラダが生きる。フルコースを食したというほどではないが、年寄りには適当な味と量。朝食はフランス料理のシェフには余技のようなものかもしれないが、これが絶品なのには驚く。コーヒーもひと味違う。
食い意地の張った連中がこれほどまでに食うことに情熱を持っているのかと感嘆すると同時に、日本のスノビズムもここまで来ているのかと感慨ひとしお。マリーアントワネットにならないことを祈りながら。








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