近畿

 ウェスティンホテル淡路 ★★★★

 淡路島での花博に合わせてオープンしたアメリカ系の近代的ホテルだ。緑の丘(山?)を背に、 海を見下ろす絶景の場所に建てられている。海に向かってくさび形につきだした構造で、海側から見て右ウイングの 方が眺望はよい。ロビーは席が少なく、居心地が悪い。喫茶に入ればよいのだが、明るすぎて落ち着きがない。横へ 続くイタリアンレストラン・ココレールの入り口があまりにも対称的に暗いので、そう感じるのだろう。味はまあ まあ。フロントではちょっとしたトラブルがあった。2室予約したのに1室しか聞いていないというのだ。たぶん 急遽取り繕って用意したのであろう。2室は離れていた。リコンファームの必要があったのか。和風旅館では客室が 少ないということもあるが、先方から確認の電話があることが多い。

 内装は、客室を含めシンプ ル清潔感に徹しているようだ。アメリカ系ホテルは、リゾート向きではないが、国際会議場が隣接しているので、 高級ビジネス向きが喜ばれるのだろう。FAXが備え付けられているのもそのためか。それならばパソコン用の電源 および通信差込口を用意してくれた方がよい。気になるのは純白に近いベッド関係だ。寝間着も白と来るので、病院と 間違われそうだ。もう少し落ち着く色がほしい。バスルームは良くできている。床は流水OKで、シャワーブースには 椅子が置かれている。始めて経験したが、座ってシャワーに当たるのもなかなかのものである。年寄り向きとは限らな い工夫だ。室料3万円なり。

 ホテルに隣接してレストラン街があり、ホテルのレストランを利用せずに安く過ごせる。そういう外人さんを見かけた。 土産物店もある。したがって、ホテルにはよくあるブティックの並ぶショッピング街はない。
 花博が主要な目的だったので、他の施設は利用していない。フィットネスルームとプールがあるようだ。
 結論的にも花博に利用しないのなら、どうしても来たいという特徴のあるホテルではない。花博用ならVIP用の 高級お泊まり先となりえよう。

 すぐ横に百段苑という花壇がある。数メートル四角に区切り斜面を利用していろいろな 花をマス状に植えている。離れて眺望すると壮大なスケールだが、コンクリート作りのため、高級霊園という感じもちょっとして、感心でき なかった。彼の有名な建築家の設計によるものだそうだが。

追加 
 シャワーブースに椅子があると書いたが、これはシャワーチェアといって、 高齢者や身障者のために大変役立つ設備だそうで、たまたまかもしれないがロビーに車椅子の方を2組見かけたのは、 そうした配慮が全館にあるのかもしれない。FAXをあまりほめなかったが、実は聴覚障害のある人にはフロント などとの更新に大切な設備だそうである。

2000年7月11日宿泊


翠 泉(湯ノ花温泉) ★★★★
 この温泉の名を聞いて、場所のわかる人はそう多くないだろう。京都市の北北西の方向に 国道9号線を小一時間走ったところ、亀岡にある。鄙びたと言うよりは、むしろさびしいほどの 片田舎に密かにある温泉だ。 京都の奥座敷ほどの地位はないが、京都人が非日常を楽しむため、ちょっと出かけて来れる位置にある。なにしろ旅館だけで温泉街はない。 各旅館もリゾート地のような設備は何一つない。観光地からは遠いし、観光地への途中にしては中途半端、やはり京都人が非日常性を楽しむところ 以上ではない。

 さて、この旅館、翠泉は面白いところだ。まず、サービスは大変良い。よく教育されている。到着するとお茶をいただくことになるが、 湯上がりにもロビーでサービスされる。エレベーターに乗ると、椅子が置かれている。そのような人が多く来るところなのかもしれない。 部屋は2階、3階あわせて14室しかない。まったく静かなところだ。部屋には源氏名のような「胡蝶」などが使われている。全室庭に 面している。

 風呂場は大浴場と露天風呂が在るが、露天風呂の方は家族単位になっていて、30分単位の 予約制なので、あまりゆっくり出来ない。 もう一つ用意して常時使えるようにしてほしいところだ。写真で見えるように、斜面を上がったところにあり、夜は足元がやや危険だ。また、 浴場には洗剤が用意されていない。 短時間で交代させるためには必要な方法なのか、やや不便だ。大浴場は木製で気持ちはよいが、浴室の温度にもう少し気を配って貰わないと 寒かったり暑かったり。朝風呂時は寒かった。

 食事はいわゆる京懐石とは違う、京料理というものか。とびきり上等というわけには行かないが、量はほどほどで、まずまずだ。 京都四条の当たりに、以前はあったそうだからそれなりの味が出せるはず。この程度の旅館になると、最近は料理長名のお品書きが出されるが、 無かった。
 部屋着は浴衣ではなく、作務衣のようなものと、ナイトウェアの2本立てで着方は自由とか。あぐらをかくのにはこの方が都合がよい。 浴衣も希望なら用意されるそうだ。女将のデザインだそうである。足袋と夕食の箸は持ち帰りOK。

 いずれにしても、時間とサービスを買う京都人の非日常性は安くないということが分かった。たまにはこんな事もしてみたい。
 一泊2食付き税サ込み 37000円/人      (2001年2月)



琵琶湖ホテル(琵琶湖) ★★★★
 琵琶湖湖畔に立つ新しいリゾートホテルだ。由緒のあった旧館はなかなか趣のある建物だったが、古さには勝てなかった。 この新しいホテルは京都側から来ると、ひときわ目立つ建物だ。入り口は2階にある。正面からはいると琵琶湖側に開けたガラス張りの明るい 日差しが差し込むロビーはリゾート地のホテルへ来たな、という雰囲気にさせる。普通は車で乗り付け、1階の駐車場からエスカレーターで登る ので感じはだいぶん違う。このロビーは内側が硬質の素材を使っているので人声のエコーが強すぎ、落ち着いた雰囲気を与えないのは残念だ。 さらに驚くのは、フロントの場所が虐待されていることだ。費用対効果を考えるとこれでも良いのかもしれないが、客に与える高級感は乏しくなる。

 客室は新しいので快適である。京都から不便なところにあるので安く泊まれる。琵琶湖が前面に広がる客室の造りは泊まり客を楽しませる (特にきれいな景色ではないが)。すぐ前が散策路となっていて、夏の夕方などには適当なコースとなっている。琵琶湖遊覧船もここから 出航する。
 レストランは日本料理のおおみ、(鉄板焼きもある)、小さいながらダイニングルームのさざなみ、洋食のザ・ガーデン とそろっている。ホテルの格から見ると最低料金の日本料理が適当で十分楽しめる。隣町京都が京懐石の老舗の屯するところだから無理するところではない。。

 琵琶湖は元来泳ぐ場所に恵まれていない。目の前に琵琶湖はあるのだが、だいぶん北の方まで行かなくては適当な所は見つからないだろう。

 近くに観光ポイントの石山寺比叡山はあるが、観光にわざわざ泊まりに来る客は少ないだろう。京都宿泊に飽きた客に期待する ほかはあるまい。そこで修学旅行生にも手を出さざるを得ない事情があるようで、さびしい限りだ。リピーター確保に支障があるかもしれないが、 これも現実か。車利用ならば京都へ泊まるよりも安上がりで楽しめる穴場か。

  ツイン1泊2食付き税サ込み 10000円/人 (会員特別料金 通常は18000円ぐらい)  (2001年6月)



帝国ホテル大阪 ★★★★★
 クリスマスプラン(スーペリアツィン室料20500円ちょうど半額になっている)で宿泊。 この値段で利用するとさすがに安い。玄関周りはやや薄暗い感じだが、重厚といった方がよいのか?内部は廊下の照明、室内の調度設定など申し分ない。川側の展望もよい。アメニティーは少し少ない感じがする。
 テラスのラウンジ・パーク、フランス料理・レセゾン(夕食)、日本料理・吉兆(朝食)を利用した。 テラスラウンジ パークのブルーベリーパイ美味、コーヒーもいけてる、おすすめ。夕食は15000円のフルコース以外に、ヘルシーメニューコース(8000、10000円の2種)が用意されている。フルコースと主な違いは魚か肉の一方だけになること。わたくしにはこれで十分、お勧め。和食は吉兆、夜はも少しムードがあるのかもししれないが、朝食に訪れてみるとムードなし。早めに行かないと朝がゆメニューはなくなる。
 アスレティッククラブは、日中は器具使用やエアロビクスなどがあるようだが、朝はプールとサウナだけ、2000円で割安か。
 ブティック街ホテルに隣接する建物も含めかなり出店しているが、来客数 より店員の数が多いようだ。
 ホテルは設備は整っていて快適だが、従業員の教育、しつけはあまりよくできていない。「5000円からいただいてよろしいでしょうか」はホテル人で使う言葉だろうか?多分「5000円お預かり致します」というのではないか。少人数で効率よく働いて貰うつもりか、レストランでのウェイターの動きもかなり騒々しい。地理的条件があまり良くないところから、廉価な客室をおおく提供している跳ね返りかもしれない。 (2002.12.28)