伊豆・箱根
一碧湖ホテル(伊豆高原) ★★★★★
駅から車で15分ほど、岡ノ上のプチホテル。瀟洒な入り口と隣接した香りの美術館が並んで見える。もちろん同じホテルの敷地内だ。オフシーズンだったので客は少なく静かな雰囲気だった。どうやら結婚式場として人気があるようだ。
樹木に囲まれきれいな建物だ。女性セレブお好みの高級感あふれるホテルというところか。夏はリゾートを兼ねているのか、屋内にジャグジー温水プールを備え、わずかな客室には十分すぎる和食、洋食レストランがある。ディナーには洋食を食したので和食の方は分からない。朝食に和食を注文したが、まず推薦できる味だった。料理はどちらもお勧め。雰囲気も良い。香りの博物館、一碧湖美術館は宿泊のついでに入れるので、全体を含めれば割安か。一碧湖は、伊豆の真珠の瞳と言われているそうだが、それほどではない。美術館のテラスから富士山を見る景観はよい。1泊2食付き二人で4万5000円(2006.2.10)
熱海石亭(熱海) ★★★★
熱海がいわゆる観光地から脱落して久しい。駅前を離れると、通りはシャッターの下ろされた家々が並ぶうら寂しさ。そこからやや奥まったところにある高級感あふれる純和風旅館だ。男性は全員作務衣と和風を強調している。入り口より奥意気の深い敷地に、客室が点在しているというと格好良いが、我々の宿泊は母屋の3階とやや不満な位置。エレベーターなしだから面倒だ。やはり石畳を伝わって奥まったところにある客室に泊まりたかった。眺めも良くない。値段の問題。
露天風呂などは離れたところにある。夜の石畳はやはり歩きにくい。
面白いのは和風喫茶のあること。ややへそ曲がりのこの主人、気に入らないと作った菓子を捨ててしまうという。コーヒーは、午前3時から毎日水出しをつくるという。旅館の中なので、普通の喫茶のようには入れないが、機会があったらのぞくも良し。料理は高級旅館に当然の料理ということになるが、とくに際だったものは見あたらない。高級料亭だというだけ。それにしては値段もかなりのもの。二人で一泊二食付き5万4000円だった。(2006.2.11)
石亭(伊豆長岡) ★★★★★
しばしば囲碁・将棋の対局場として使用される旅館だ。伊豆長岡の駅から来るまで10分ほど、伊豆長岡の小高い丘に斜面を利用して建てられ、高級感あふれる純和風旅館だ。
玄関が一番低いところにあり、斜面に沿って部屋は離れの形式で、2,3室ずつに分けられていて、控えの間を含めると二十畳以上はあるだろう。1階の方が庭が目の前に見えてよいが、木造なので2階に客があると少々音がする。遙かに伊豆の平野が展望できる
と言いたいところだが、無粋な広告塔が視界を邪魔していて残念だ。
冬は暖房が大変だろうが、客室ばかりでなく、控えの間や玄関周りにも暖房がほしい。トイレに行くのが寒い。
浴室は部屋付きもあるが、大浴場形式で温泉の方が気持ちがよい。花の季節は斜面に咲く花々が美しい。
料理は評判通りに素晴らしい。格式がある。仲居さんのしつけも行き届いている。宿泊料は、普段はかなり
高いところなので、何かの割引のシーズンか、クレジットカードなどでの特典を利用して行くと良い。お薦め
の旅館だ。
控えの間が寒かったことで、4★
湯河原駅から川沿いに左右の景色を眺めながら進むと、湯河原温泉郷に着く。そこからさらに奥へ
進むと奥湯河原に至る。静かな奥湯河原の林間に建ち、武家構えのような門をくぐると右手に玄関がある。 早速玄関番が現れて中に請じ入れてくれる。ここでも正面ロビーで抹茶をいただくことになる。。高級和風
旅館では当たり前のサービスになっている風習だが、いつ頃から出来たものなのだろうか。「お疲れさま
でした。ようこそいらっしゃいました。」と言うことなのだろうが、場合によってはすぐ客室へ通して
ほしいこともある。
客室は庭に面していて、それぞれ花の名が付けられている。部屋名のぼんぼりはなかなか良い雰囲気だ。 部屋は土間から一段高くなっている。旧家の土間に立ったような気持ちになる。部屋は広く障子を開けると
庭からの光で明るい。仲居さんの教育はなかなか行き届いている。
風呂場は檜の香が漂う。ゆっくりと温泉に暖まって火照った体を休める場所を心得たように、出口近くに 休息場所を設け、冷茶などをサービスしてくれる。朝風呂に使った後などは、とくにほっとして、山間の
木々を愛でながらいい骨休めになったな、という感慨を起こさせる。
変わっているところは客室にテレビがないことだろう。もちろん土間の横(寄りつきというのか)には
用意されていて、いつでも客の要望に応えられるようにはなっている。仲居さんに聞いたところでは、
精魂込めて調理したものを十分味わってほしいという料理長の心意気からだという。ここは元々は料理が
専門でそれが旅館を併置するようになったのが始まりという。伊豆の山奥で京懐石というと違和感をもたれる人もあろう。盛りつけられた器といい、運ばれてくるタイミングと言い、十分賞味に耐える品々である。
華麗であるが浮ついてない。一泊5万。交通費を払って普通には行けないところだから、カード会社などの
割引のチャンスを使うことだ。
一般客には無縁な別館として迎賓館がある。豪華を極める建造物だが、写真で眺めただけで行く機会はない。
うん十万円はするというから。隣にもっと近づきやすい山翠楼が同じ経営だ。こちらの料理も評判がよい。
翌朝帰りに玄関で女将のような人がくるまで到着した。従業員が出迎えたところを見ると、多分そうだろう。
すぐ出立客へ挨拶していたから。