ベネチア から フィレンツェへ
ピサ ベネチアからは300km以上あるところで、フィレンツェへはあと 100kmぐらい。
だからオプショナル日帰りツアーはフィレンツェからでているようだ。
10世紀頃は海洋国家として栄えたというが、その面影は全くみられない。そこまで海が迫っていたとはいまでは想像できない。
観るものには町中にそびえる斜塔としか感じられない。しかし礼拝堂、ドゥオモに斜塔と並べて観ると、やはり巨万の富を
築いたかつての海洋国家の誇らしげな側面が偲ばれるといわなければなるまい。なにしろ200年以上かけて建築したと
いう代物だから。
斜塔は確かに異様だ。ベネチアのサンマルコ広場の塔が水没で傾いたら、その傾きで保存するだろうか。修復工事も斜塔の
位置の固定という形で行われている。建築当時は垂直になっていたはずだから、古建築の修復のルールとはという質問が出る
のも無理はない。ドゥオモ内には、かの有名な
ガリレオが発見した振り子の等時性の ヒントを与えたランプがある。(ただし当時のランプそのものではないそうだ)
この広場には観光客があふれている。それをねらってスリも多いそうだし、 アフリカからの密入国者による露天商が数多くみられる。
なぜかこの土地にはカラードが多い。 商売は禁止されているらしいが、ポリスが現れたときだけ荷物を
たたんで柱の陰に隠れるという茶番劇を演じている。 ポリスも先刻ご承知なのだろうが。
何しろ観光客が多いので、人間を入れずに斜塔の大きさを表すような写真ポイントを探すのは大変難しい。それと斜塔につられて
ついカメラが傾いてしまう。上の写真も修整したものだ。
フィレンツェ へ入る時間にもよるが、夕刻前ならば半端な時間を利用して
市街南端を流れる
アルノ川南の高台に広がる
ミケランジェロ広場 へ向かえる。丘を登るドライブウェイはなかなかよい。 ここで市街の概略をつかむと後が歩きやすい。ただしこの時刻ではかの有名な
大聖堂には後ろから光があたり、 写真を撮る条件は悪い。あとから加工する必要あり。大聖堂を間近に撮ろうとするならば、
3倍以上のズームが必要だ。 また丘の下り斜面からなので、近景に苦労することになる。
ヴェッキオ橋 と
大聖堂を同時に収める貴重なポイントでもある。 市街を一望できるのはここだけだから、
十分写真を撮っておくように。この丘にはVIP用のこじんまりとした高級ホテルが
あるらしく、市内に泊まるのは超一流とはいわれないそうだ。
宿泊は、
ホテル・ベルニーニパレス、シニョーリア広場の角、
ベッキオ宮殿のすぐ横、
ウフィツィ美術館へも 5分のところ。市内観光には便利なホテルだ。ただし、 車がすれ違えないほどの狭い路地にある。19世紀末に建てられたものらしく、
ずいぶん古い。朝食用のレストランは
カフェ・バリオニーニと呼ばれ、周囲の壁には多くの 人物画が掲げられ重々しい。部屋によっては一部新装されていて、バスルームなどが新しく1ランク上の部屋になっている。観光に至便の位置にあるので、日本人も結構利用しているようだ。
フィレンツェは美術品・遺産の宝庫だ。通りがかりの旅行者が全部みられるはずはない。ヴェッキオ宮殿・ウフィツィ美術館、
ヴェッキオ橋、その周辺をぶらつくという程度にしたい。それだけでも頭は画像、彫刻、建築で飽和してしまう。それに古都の雰囲気に。
京都などと比較すると、石造りということもあるが、古いままの形でよく保存されていてうらやましい。
シニョーリア広場 ホテルから1分、ちょうどヴェッキオ宮殿と ウフィツィ美術館横の回廊に囲ま
れた広場で、ミケランジェロの
ダヴィデ像の複製や数々の本物の彫刻が野外美術館のようにならんでいる。ホテルからの通りの両側には革製品を売る野外店が軒を連ねている。ガイドの説明によると、一見非常に柔らかく格安な革製品が手に入るかのように見えるが、すべてなめしが不十分で染色もひどく、1年もたたないうちに駄目になるという。ただし革製品を買うならやはりフィレンツェかミラノだろう。2,3日しか滞在しないならばショッピングに半日割くのは贅沢というものだ。美術・美術・美術だ。
ヴェッキオ橋は両側に店を並べた複合橋で、ベネチアのリアルト橋と似たような構造だ。ただし水平に近い橋なので中へ入ってしまうとあまりぱっとしたものではない。遠くから眺めた方がよい橋のようだ。
ウフィツィ美術館は、メディチ家の膨大な美術収集品を展示したのが始まりだという。ボッティチェリ、レオナルド・ダヴィンチ。ラファエロ、ミケランジェロと次々に名画を見せられては一つ一つの印象は薄まるばかりだ。ごく少数のものに焦点を当ててゆっくり丹念にみることだ。それで満足するなら幸せ。フィレンツェでは右を見ても左を見ても文化遺産ばかりでなので、疲れないことだ
ミケランジェロ広場へ向かう中腹に超一流
ホテルヴィラ・コーラがある。天皇がお泊まりになったとか。そこで我々は一晩のディナーを味わう。贅を極めたホテルだ。シャンデリアを始め廊下に並ぶ彫刻や装飾の数々は目をみはるばかりだ。市街地からは離れた隠れ家的なプチホテルというところか。外観はクリーム色に仕上げられている。ここで天皇がお飲みになったというワインと同じ銘柄が供された。たぶん年代が違うものだろうが。前菜のイノシシのハムよし。
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イノシシの生ハム |
入り口 |