ハワイ島(別名BigIsland) + ホテルハレクラニ(ホノルル) 2000.9
土地勘
ハワイ島は、日本より緯度が20度ぐらい低くやはり南の島である。四国よりやや小さいが、
ハワイ諸島ではもっとも大きく、ビッグアイランドと呼ばれている。またアメリカ合衆国
のなかで最南端に位置している。マイアミのあたりがもっと南のようだが、そうでないらしい。
元来ハワイ諸島は溶岩によって出来た島々だが、ハワイ島には活火山があるという意味においても
特異な島である。
溶岩の粘りけが少ないため、出来上がった山形は日本のものに比べかなりなだらかに裾を引いている 。大きな山は2つ、マウナ・ケアとマウナ・ロア。「マウナ」とは山のことだそうである。ともに 4000メートルを越え、富士山よりも高い。日本が建設したすばる天文台はマウナ・ケアの山頂にあり、彼の有名な キラウエア火山はマウナ・ロアの東側にある。長期滞在すればもっと、面白いかどうかは別にして、他の山にも向かう チャンスはあるかもしれない。4000メートルもあり斜面がなだらかなので、冬はスキーが出来る。サーフィンとスキーが 同時に出来る島というところがなかなか面白い。
二つの山が島を(斜線のように)東西に分けている。島の東側は雨や湿った空気に恵まれ、場所に よってはジャングルのように緑豊かな景観を示しているが、西側は乾燥地帯で滅多に雨も降らず不毛の土地である。この見事な 対比は見るものを驚かす。
成田からの直行便もあるコナ空港(左の楕円形)は小さいながらも国際空港である。関空からは ノルル経由となるので、国内線となる。シャトル便で空港を出ると道の両側に広がる漆黒の溶岩大地に驚く。年月を経て少しは 草木も生えているが、全くの無人地帯。円で示した北のリゾートホテルエリアへ向かう道路には、わずかにホテルの入り口を示す 石造りの表札があるのみ。こんな荒れ地に来たのかと驚かされる。ところがひとたびホテルエリアへ曲がると、そこには緑の楽園が 広がっている。溶岩の上に土を運び、スプリンクラーを常時稼働させることで緑のリゾートエリアを作り上げている。莫大な投資 とエネルギーを惜しまない産業が成り立っているのをまざまざと見せつけられる。ひとたびエリア内に入れば、溶岩大地などを 忘れた楽園が広がっていることになる。そのいくつかは日本企業が経営しているとか。
みどころ
リゾート地へ来て観光は目的を逸脱しているとは思うが、初めてならば行ってみたいところがある。その一つは
キラウエア火山。バスかヘリコプターで観光できる。広大な景観は、日中ではただ噴煙がわずかに立ち上るのが見られるに
過ぎないが、一見の価値がある。バスを利用すると1日で島を一周する観光コースを利用するか、キラウエア火山だけを見に行く
ツアーに参加するかである。日本の旅行社が用意しているオプションには、キラウエア火山だけというのはない。現地のツアーを
利用する。といっても英語ではなく日本人経営の旅行社が運営している。島一周には10時間ほどかかるので、1日仕事になるが
一度は回ってみてもよいだろう。ヒロの町はずれに、マカデミアナッツとチョコレート工場があり見学させられる。クリントン
大統領がここのチョコレートを皇室への土産にしたとか。ヒロの町を横切り、湿地帯を通ってキラウエア火山に至る。火山の麓には
黒砂海岸といって黒い溶岩が砂上になって続く海岸があるが、想像したほど面白くない。これ以後は、コナの町まで見るべきものは
ない。コナの町はただ通過するだけでホテルへ戻ってしまう。このツアーは時間がかかる割には情報が薄められたものしかない感じだ。
$100
他は、マウナ・ケア山頂のすばる天文台へのぼり、夕日が西の海に沈む景観(画像をクリックしてください)を楽しんだ後、
星空観測である。これも日本の
旅行社のものは山頂まで行かず、2800メートルのところにあるオニヅカセンターまでとなるから、注意を要する。このツアーには
午後4時頃出かけて、オニヅカセンターで夕食の弁当を食べて山頂に向かう。帰りは10時頃になる。参加して始めてわかることは、
4000メートルの頂上に立つと、空気が薄く息苦しいことである。頭を振るとふらふらとなる。ゆっくり歩かないと苦しい。これが
日本の旅行社がツアーに組み込まない理由であろう。高山病の危険があるのだから。普通の健康体ならまず心配ないので、ぜひトライ
したい。$150
車
ここまで触れてこなかった事がある。ハワイ島はレンタカーに限る。これが暗黙の了解のようだ。何しろ四国よりやや小さい土地に
町らしい町は、東西の海岸にヒロ(右の楕円内)とコナ(左の楕円内)の二つしかなく、その間の観光地の50キロから100キロ毎
にしかない。またコナのリゾート地にあるホテルは、自動車道からホテル玄関まで数分ぐらい奥まっており、ホテル間の交通はほとんど
ないに等しい。したがって、何をするにも車が欲しいということになる。
(ハワイ島のホテルのイメージ:上端にある自動車道から下側の海岸に向かうと一つの
ホテルエリアが存在する。その領域だけは緑の大地になっている。)
ところがさらに条件がある。宿泊地以外のレストランへ行けばアルコールは飲めなくなるし、コナのリゾート地のホテルに滞在して
いると、島一周には10時間以上かかり、一人ではきつい。かといって、滞在しているホテル一泊を無視して、途中で一泊するわけにも
行かない。それならばこのようなところに滞在したのが間違いということになろう。若いか、二人以上の運転者がいれば大丈夫。
実はコナのリゾート地宿泊を含む旅行を自分で企画してみたが、旅行社が用意しているセットツアーと比較すると、航空運賃を含め
一人10万円以上高くなることになり断念した。どうやらこういうホテルを利用した自由旅行は自由旅行になじまないようだ。旅行社は
ハワイの土産はココナッツチョコレートと決まっているようだから、他もののを探す苦労をすることはない。コナ・コーヒーもホノルル
で購入できるので先走って土産物を買い込むことはない。ハワイ島の唯一の利点はいわゆる「お買い物」が出来ないことであろう。
ホテル(マウナ・ラニ・ベイ・ホテル・&バンガロー
L★★★★★)
ハワイ島はホノルルなどに比べ本当にリゾート出来る土地であるから、それを満喫できるところに泊まりたい。選んだホテルはマウナ・
ラニ・ベイ・ホテル&バンガロー。「マウナ・ラニ」はハワイ語で「天国に手の届く
丘」という意味だそうである。ホテルを含む広大な溶岩ばかりのエリアを緑の大地に変え、ホテル毎に楽園を築いている。ビーチや
プールサイドでのんびりとリゾートを楽しむのがこのホテルの過ごし方であろう。ゴルフ好きには海越えの名門コースが用意されている
そうだが、そんなことは私には無関係だ。これぞ休日というのがここの過ごし方。 その点では満足するが、アメリカのことであるから、
食事がすばらしいというわけには行かない。4日も滞在すると困る。しかし環境を含めホテルの設備とサービスは、一級リゾートホテルの
名に恥じない。中央の吹き抜けもなかなか見事である。宿泊するなら、シーフロントの部屋それも上層階を取るべきだ。シービューでは、
サイドによっては美しい夕日が見られない。もう一度訪れてみたいホテルである。ただし、ぶらっと訪れて宿泊したら、室料は安くても
6万円以上はとられると覚悟しなければならないだろう。(ここは東急系だそうである。)この点セットツアーは安くできている。宿泊客
の1/4から1/3は日本人であることも,、この安さに寄与しているのかもしれない。ホノルルの喧噪感に無縁
なの
もいい。
ホテルハレクラニ(ホノルル) L★★★★★
ホノルルは日本の繁華街の延長のようなところがある。居酒屋はもちろんのこと、寿司屋もあればお好み焼き屋 もある。ほとんどのことが日本語で済むし、看板の多くは日本語で書かれている。ここで商売をしようと思うものは、店員に少なくとも 一人は日本人を雇う必要がある。そういう点で海外という緊張感のない土地ということが出来よう。別の言葉で言えば、だから行きやすい 外国ということが出来る。定年退職後とおぼしきご夫婦にこれほど多く出会うことところは、ホノルルをおいてない。気候温暖、安全が売り物だから。
さて、ここはホノルルの旅日記を書くためにもうけた欄ではない。ハワイ島の帰途立ち寄ったまでのこと。
そこで宿泊したホテルについて感想を述べる。ホノルルのホテルはどれも巨大化しているので、500室というのは当然らしい。
ハレクラニは、ハワイ語で「天国の館」という意味
だそうである。数あるホテルの中でも、とびきり(宿泊費が)高いホテルだというのが、現地人の評判だ。確かに贅を尽くしたという感じ
の設備やサービスからは、それ位するかもしれない、ということは理解できる。お金があれば居心地は悪くない、否積極的にいいというべきだ。
ただし、建物の構造がE字の形をしていて文字の文字の右側の方が海側だから、それに近いところに部屋が割り当てられないと、印象はだいぶん
変わるはずである。その点では、旅行社のセット旅行は自由度がないが、自分で予約するとかなり割高になることを覚悟しなければならない。
我々が宿泊した部屋を個人で頼むと6万円近くの室料となるそうだ。3泊で20万円も取られたのではやってゆけない。なにしろ4泊5日、
航空券込みで5〜6万円のツアーがある時代だから。
プールを見下ろす プールサイドから
ワイキキはホテルが建て込んでしまったため、何処も敷地が窮屈で、苦労しているようだ。プールサイドのベッドが、隙間なく並べて
あるというのが、当たり前になっているが、ハレクラニのプールサイドはかなりゆったりしている。しかし海岸は狭い。朝食をとる
レストランは3カ所にあり、かなり充実している。宿泊客の1/3以上が日本人の性か、朝食に定番のみそ汁に加えて、そばがあるのには
驚いた。朝食にはシェフに頼んでオムレツを作ってもらうのがなかなかよい。中に入れるものを毎日変え注文してみるのも面白い。
しかしここはあくまでアメリカである。食事は全体としては誉められたものではない。一番高級なレストラン「ラメール」(お一人様
160ドルよりとお知らせに記されていた)には、びびって行ってないので真価のほどはわからないが?