ニース(1998.8.10)
 あこがれのフランスはプロバンス地方へ勇んで出かけました。
今回は(と言って次回が予定されているわけではありませんが)
もっぱら海岸のニースに滞在し、モナコ公国などを観光しました。
 パリよりTGVでニースまで6時間半楽しいが疲れる距離です。
マルセイユあたりからの海側の風景は南仏そのものです。
そうそう、日本で購入できる割引切符に現地で使用する日数指定のものがあり、
5日間とか7日間とか使用する日毎に改札すればよいものがあることを
知りました。ゆったりした行程で時々列車を利用する旅には好適でしょう。
駅からホテルまでのタクシーは白タクではないが料金は彼らの
言いなりのようで、70フラン。帰りにホテルから駅まで乗った
ときも同額だったので、彼らの観光客相手の協定料金らしい。
日本人もよく見かけますがほとんど団体客で、わっと現れて疾風の
ごとく去ってゆきます。個人客は少ないようです。
リゾート地への観光の仕方としてはまずいのでは。


ホテルの話
 宿泊したホテルは「メリディアン」。1階には、入り口は
別になっていますが、カジノでした。1泊3万円も取られましたが、
リゾート地で、しかもハイシーズン、あまりぱっとしない部屋でした。
パンフレットによるとかなりよいホテルのつもりでした。
ホテルの善し悪しよりも、海側(オーシャンフロント)かどうかで
決めた方がよさそうです。屋上にはプールがあり、眺望もなかなかです。
 フランスに長期滞在中ならば、車を
利用して市の中心から離れたところに
ひっそりただずむプチホテルを探すのも
面白いでしょう。パンフレットによると
いろいろ味わいのありそうなものがみられます。
しかし、ぱっときてさっと帰る旅には無理でしょう。


食べ物の話
 ホテルで夕食をとるのは、多くの場合賢明ではありません。ニースには、
海岸側のホテル街からみると、すぐ裏手に夜中までにぎわう歩行者天国の
歓楽街マセナ通りがあり、観光客で大にぎわい。地理的な関係からも
フランス料理はほとんどなく、イタリヤ(ピザ)と
スペイン(パエリヤなど)が大にぎわい。
詰めあわせて座わったテーブルで、見知らぬ
異人さんと話しながら食するのも一興でしょう。
安くておいしいのが取り柄です。
朝から出かけるのは面倒だったので、朝食だけは
ホテルでとりました。

  ニースきってのフランス料理と言うことを聞いたので、ニースの最高級ホテル
「ネグレスコ」(宿泊は5万円からとのこと)のディナーに出かけました。
宮殿のような建築で、中のロビー空間を飾るカーペットや絵画は見事と
いうほかはありません。料理はそんなに高いものではありませんでした。

食べ物ついでに穴場を紹介しましょう。
シーフッド専門の店です。歩道を仕切ったような店で、
夕方明るい内から客にあふれていました。
メモによるとグラン・カフェ・ドゥ・テュラン
(Grand Cafe de Turin)というらしい。
カキやムール貝、エビ・ざりがになど面白い。
産地によってカキの値段がひどく違うのに
驚きました。場所はいわゆる繁華街からは
はずれています。中心部のマセナ公園の西の
はずれにあるので、暗くなってからの道は公園内を避けた方がよいでしょう。

 おみやげ物はほとんどないといった方がよいでしょう。メセナ通りには
いろいろなデザインのTシャツが豊富で、これを何枚か買い込みました。
リヨンの町角で「おまえのTシャツはいいデザインだな。どこで買った」
と尋ねられ鼻高々でした。



海岸通り
 さてまだニースはどんなところかを話していません。
歴史的なことはさておいて、「リビエラの女王」と
いわれるだけあって、日本ではお目にかかれない
高級海浜リゾート地です。
天使の入り江と呼ばれる海岸沿いに幅の広い遊歩道
プロムナード・デザングレ」が
3〜4kmも続き、道路に面して高級ホテル群が
林立するという具合です。遊歩道名は訳せば
「イギリス人の散歩道」とでもいうのでしょうか。
日本のように松並木はありませんが、シュロ(?)並木がその代わりをしています。
海岸には無料で石ころだらけのパブリックビーチと、きれいなパラソルの行列で
飾られた有料のプライベートビーチがあります。ホテル専用といっても
使用料は取られます。トップレスはもちろんのこと、ハイレグやTバック(?)
もかなりみられます。
 このような冬も夏も賑わうリゾート地の候補は、日本なら沖縄の恩納村
ぐらいでしょうが、孤立したホテルの努力だけでは集客力の点で難しいの
でしょうね。


ニース市内
 ニースで見逃すわけにはゆかないものは、シャガールマチスの美術館です。
マチスはニースで絵画創作活動を行ったそうです。町中からはバスが便利です。
同じ系統のバスでまずシャガール美術館へ行き、ついで同じ切符でさらにマチス
美術館までゆけることを、車内で親切なご婦人に教えられました。改札してから
2(?)時間以内なら再利用が可能とか。このことは観光案内にはかかれて
いませんでした。美術館を2つ回ると、午前中いっぱいかかると思った方が
よいでしょう。


エズ村
 ニースに滞在しているのならば、
カンヌやモナコは日帰り観光ができます。
宿泊地を転々とする方が好き、という方には
向かないかもしれません。
モナコへは、日本語ガイド付きの観光をしました。
(ニースにはJTBの営業所があって手配可能です。
日本語の新聞はおいてありましたが、
日本語はだめです。)
  途中の海抜500メートルくらいのところにあるエズ村という中世の城へ
行きたかったので。車は中腹まででそこからは徒歩になります。サラセン人からの
襲撃から守るために築かれた古城で、鷲の巣村といわれます。入り組んだ迷路
のような石畳の道が山頂まで続き、廃墟となった頂上付近は熱帯植物園になって
います。道路沿いの石造りの小さな家々には、土着の土産物が売られている。
観光案内によると、ニーチェは、「ツアラトゥストラはかく語りき」の構想を
この小道で練ったという。一見の価値のある観光ポイントでしょう。


モナコ
 ギャンブルの町モナコと言うよりは、グレースケリーのモナコ公国
といった方がよいでしょう。午前中に行けば空いていてゆっくり
眺められます。白亜の宮殿内へも希望すれば入れますが、小一時間
かかる覚悟が必要です。ふつうの観光では無理でしょう。
宮殿前の広場からはモナコ港が一望できます。ヨットの
多さに驚きます。さすがリゾート地なのだな、と感服しました。
フランスの庇護を受けているためフランスフランは使えますが、
モナコフランはフランスでは使えません。


ドゴール空港へ直行
ニースにはもちろん空港がありますから、パリまで地上を行く必要はないの
ですが、もしTGVを利用するのならば、ドゴール空港へ直行する便の使用が
便利です。ただしこの列車はベルギーまで走るので、降り損なったら国外まで
運ばれます。外国の列車は案内がないといいますが、私が乗ったTGVでは
どれでも降車案内がありました。普通列車にはありませんでした。

 終わりに、この旅行のプランや手配については、JTBの自遊旅行課の
平塚課長に大変お世話になりました。旅行社を利用するときは、係員に当たり
はずれのあることをよく見極めましょう。旅を楽しくするには、良い計画が必須。

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