グルノーブル

  高い交通費を使ってフランスまで出かけ、グルノーブルへ入ってみると言うような酔狂な人はそう多くはあるまい。冬季オリンピックにでも思いでのある人や冬季スキーを楽しむ人を除けば。リヨンの隣にありながら、マイナーな観光地であろう。ふつうの旅人にどうしても見たいと思わせる名所旧跡はない。一応文豪スタンダールの生まれ育った街ということになっていて、記念館もあるが。

  ここも川が流れる街である。駅前から路面電車の線路に沿って歩くと、ビクトル・ユーゴー広場にでる。ここからロープウェイ駅へ向かう道は、石畳の道の真ん中を路面電車が走るという昔懐かしい風景だ。

  ロープウェイは山上(丘上)のバスチーユ城塞駅へ着く。ロープウェイの乗り物は写真で見るようにカプセル型で、並んで運行されている。城塞は16世紀に建てられたものだそうで、廃墟となっている。ここのテラスから川越しに市街地が展望できる。一見すると見るサイドによってはパリの町並みを見下ろしているのではないかと思わせる風景だ。運が良ければモンブランが見えるそうだが?


  城塞を回る形で散策路ができていて、10分ほど歩くと山上唯一のレストランに着く。シェ・ル・ペールグラ(Chez le Per Gras)という。遅い午餐を山並みを眺め風に吹かれて食するのも仲なかである。特においしいわけではない。  リヨンからは1時間の列車の旅なので、日帰りで十分な街である。(わざわざ行くほどのことはない。)


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