ペナン島(マレーシア)    2001.3.26
地勢
 マレーシアはイスラム教を国教とする王国だ、と聞くと、「エッ」と言わざるを得ない。マレーシア半島とボルネオ島に 領土は分かれている。かつてはシンガポールも領土の内だった。かの有名な「ルック・イースト」で著名な、マハティール 首相が率いる政府が政権の座にかつてあった。ペナン島はマレーシア半島を南から登ると、幅が細くなり始めた当たりの、マラッカ海峡に浮かぶ島で、 「
東洋の真珠」 「インド洋のエメラルド 」と呼ばれ、東西貿易で栄えてきた港町、マレーシア第2の都市ジョージタウンのある島である。 大きさは淡路島の半分ぐらい。現在はかなり立派な吊り橋で半島部と結ばれている。
 常夏の国で、平均気温は20〜30度の過ごしやすい所で、半袖シャツと半ズボンで年中いける。ただしモンスーン地帯に 属するので、日本と同じく梅雨の季節がある。お寺へはタンクトップ・短パンは遠慮。
 島の北側の海岸が
リゾートエリアで、高級ホテルやレストランが海岸沿いに並び、マレーシアを代表する観光リゾート地と なっている。
ペナン島のみどころ
 ジョージタウンリゾート向きの海岸しかない所だから、見どころもそれほどあるわけではない。異国へ行ったら その地の文化に触れるのがもっとも賢いと思う。とはいうものの、イスラム教に仏教(ビルマ系、タイ系と中国系がある)、ヒンズ ー教と賑やかなところだ。
 ジョージタウンには、(国教なので)巨大な
州立モスクがそびえる。金色に輝くドームは壮観で、いっぺんに5000人も入れるという。 ビルマ寺院は ビルマ系、巨大な仏像が安置され、入り口には2頭の象が狛犬さんのように置かれている。すぐ横にあるのが、涅槃仏寺院、これはタイ系。全長33 メートルの仏様が横たわっている。涅槃の境地に達したお姿だとか。極楽寺は中国系で、国内最大規模のお寺だそうである。ペナン・ヒルという高台の麓にある。 なにしろ欲張った様式が特徴で、パゴダ(塔)はタイ、中国、ビルマ様式の順になっている。いずれも寺もいわゆる極彩色が特徴で日本の ような、素朴というか、質素というか目立たないことを徳とする造りのお寺ではない。その点でも見て回る価値がある。もう一つ毒蛇が 祭壇に眠る儒教系の蛇寺 がある。蛇は線香の煙で眠らされ、安全だそうであるが、訪れていないので何ともいえない。


 ジョージタウンは異国情緒を残す街である。チャイナタウン、インディアンタウン、旧植民地時代の町並みなど、個々の建造物よりも むしろ全体の風景が楽しい。人力三輪車
トライショー で回るのも悪くない。30分ぐらいで1台15〜20リンギット(500円ぐらい)。
 ペナン島は、観光に回るよりは海岸でのんびりするところだから、観光は1日ぐらいにしてゆっくりくつろぐのが賢明な過ごし方であろう。
食い物
 マレーシア全体では20%強しかいない中国人が、バクテー(肉骨茶)ここペナンでは60%を占めている。彼らの食系列にある
ラーメンバクテー肉骨茶)が秀逸。 屋台のようなところで食べるラーメンは、ごてごてしたものから塩ラーメンのようなあっさり型まで多種多様、どれもまあまあおいしい。 餃子もある。バクテーは、元々中国から渡来したものだそうで、豚肉をニンニク、胡椒などの薬味を入れて煮込んだスープ状の食べ物で、 土地の大金持ちまで屋台に食べに来るらしい。その方が安くあがるとか。ペナン島東海岸を走るガーニードライブに屋台が並ぶが、 どれがまともなのか分からない。込んでいるところを探すしかない。ツアーで行ったのならば、ガイドに訊いておく手がある。 往きはタクシーを利用できるが、帰りに困る。
 レストランはジョージタウンにある老舗の
ホテルシャングリ・ラの飲茶しか食していない。まあまあの味だ。リゾート地のホテルからは( バスもあるが)タクシーを利用しなければ不便なので、ジョージタウン市内まで食事に出かけるのは難しい。
 ミルク入り紅茶を市内の屋台で飲んだが、入れ方が独特、ミルクと混ぜ合わせるのに、コップを交互に高いところから流し落として 見せ場を作る手さばきは面白い。ガイドにうまいなと言ったら、もっとうまいベテランはいくらでもいると、のたまわった。

リゾート
 宿泊したホテルは、
ラサ・サヤン・リゾート といい、ホテルシャングリ・ラ系列の一つとか。経営者は、インドネシアに居を構えているそうだ。 北側の海岸には、3つのビーチが並んでいて、中心が バトゥ・フェリンギでペナン島を代表するリゾート地になっている。ホテルはその東端にある。 ある旅行社の案内には「極楽気分の休日を 」と書かれている。屋根がコテージ風にデザインされている。もちろん中は完全な洋風ホテルだが。500室以上 あるというから、かなり大型のホテルだ。物価は日本の何分の一かなのに、室料は日本の都会並みである。日本のBS放送が受信できる。 大型のプールやミニゴルフコースなどの施設がある。なんと行っても南国は草木がきれいだ。
 レストランは5つほどある。中華風、地元風、和風、やや洋風など様々だが、どれも特別うまいというところはない。特に和風レストランは、 にぎり寿司もあるが、職人は現地人である。サービスもそれほどではなくお薦めできない。土地のものを食するのが常道だろう。 現地風を多国籍人に受け入れられるようアレンジしたものがかなりまっとうな味がする。ディナーは、各レストランが交代で海岸に ビュッフェ風の店を開く。ここが安く雰囲気も良いのでお薦め。短時間だが現地のショーも楽しめる。
 海岸の砂浜自体はそれほど奥行はないが、椰子の木茂る一体はかなり広く、プライベートビーチとなっている。ビーチベッドはかなりの数用意され、のんびり出来る。パラセイリングがビーチではほとんど唯一の遊びになっているようだ。また
足指マッサージが面白い。日本製のニベア クリームを付けて30分ぐらい揉んでくれる。30リンギット(1000円弱)。価値不明の資格証明書を見せながら勧誘するところも面白い。
土産物
 何もないと思った方がよい。スズのジョッキーなどが名物だそうだがどうも。空港の土産物店でも特徴ある物産はない。気に入ったTシャツ など見つけても、中国かタイ製品である。(今回は首都のクアラルンプールへ行ってないのでこれ以上はコメントなし。)